大家好!
一度学習したけどよくわからない!というあなたに向けて、「把」構文の用法をわかりやすく説明していきます。
初めて学ぶ方も段階的に超わかりやすく説明していきますので安心してください!
※結果補語、方向補語を使用しない表現については、第二回「把」構文を参照
【中国語】「把」構文とは
「把」構文とは、動詞の前に“把” + <目的語>のセットを置き、その目的語がどうなったかを強調するような構文のこと。
※目的語を処置する、という意味で処置文と呼ばれるときもあります。
処置するということは、その目的語は見知っているものである必要がありますね。
基本形:
“把” + <目的語(特定)> + <動詞> + おまけ
ポイント:
- 助動詞や“没”,“别”などは“把”の前に置く
- “把”は、書き言葉では“将 ”
- 疑問形では、文末に”吗?”を付ける
ふざけた表現に見えるかもしれませんが、“把”構文では処置した結果どうなったかを表す「おまけ」が重要なのです。
今回は、この「おまけ」が「結果補語」・「方向補語」である場合について説明します。
また、“把”構文は大きく分けて2種類あります。
- “把”構文が必要な場合
- “把”構文がなくてもなんとかなる場合
まずは①“把”構文が必要な場合を通して用法を確認しましょう。
【中国語】「把」構文の特徴
ここでは、「把」構文の特徴を説明します。
①“把”構文が必要な場合
“把”構文が必要な場合に使う、主な「おまけ」は以下の4つの結果補語と方向補語です。
「在」・・・行為後に残る場所を示す
「到」・・・宛先を示す
「成」・・・何に変えるのか示す
「进」・・・中に入れるのを示す
それでは、例を通じて学習していきましょう。
「スマホを机に置く」
例えば、「スマホを机に置く」という表現において“把”構文を使用せずに表現することは難しいです。「スマホ」という特定のものを、結果補語“在”を使い「机に」行為結果を残します。そのため、
“我把(智能)手机放在桌子上。 “
と表します。
“在”のあとには場所が来るので、場所詞になるように“上”を加えてくださいね。
「ファイルをグーグルドライブにアップロードする」
例えば、「ファイルをグーグルドライブにアップロードする」という表現においても、“把”構文を使用せずに表現することは難しいです。「ファイル」という特定のものを、結果補語“到”を使い「グーグルドライブに」という宛先に「アップロード」します。そのため、
“把文件上传到谷歌云端硬盘。 “
と表します。
「この文章を中国語に訳してくださいませんか?」
例えば、「この文章を中国語に訳してくださいませんか?」という表現においても、“把”構文を使用せずに表現することは不可能です。「この文章」という特定のものを、結果補語“成”を使い「中国語に」という対象に変化させます。そのため、
“能不能帮我把这篇文章翻(译)成中文? “
と表します。
※参考:依頼の表現
「これは冷蔵庫にいれないでください」
例えば、「これは冷蔵庫にいれないでください。」という表現においても、“把”構文を使用せずに表現することは難しい。「これ」という特定のものを、方向補語“进”を使い「冷蔵庫に」という対象に「入れます」。そのため、禁止表現を伴って、
“不要把这个东西放进冰箱里。 “
と表します。
“进”のあとは場所詞になるので“里”を忘れないようにしてください。
この4つの例を通して、“把”をどのように使えばいいのかわかってきたかと思います。
それでは、②“把”構文がなくてもなんとかなる場合についても考えてみましょう。
②“把”構文がなくてもなんとかなる場合
これは主に「完了したことを強調したい時」に使うものです。「おまけ」に入るものは、「結果補語」「方向補語」「様態補語」「動詞重ね型」などたくさんあるのですが、今回は基本的な「結果補語」「方向補語」にしぼって説明します。ちなみに、「おまけ」の内容が変わっても“把”は必ず動詞の前に置かれます。
基本形:
“把” + <目的語(特定)> + <動詞> + おまけ
結果補語を使う場合
「おまけ」の部分が結果補語である例を見てみましょう。
①“我把这本书看完了。 ”
―私はこの本を読みきった。
②“他把那碗豆汁居然都喝光了。”
―彼はなんとその豆汁(臭いスープ)を全部飲んですっからかんにした。
①、②の例はともに以下のように書き換えることができます。
①“我看完了这本书。 ”
―私はこの本を読み終えた。
②“他居然都喝光了那碗豆汁。 ”
―彼はその豆汁を全部飲みきった。
最初の説明で「“把”構文は処置文と呼ばれることもあります」と書きました。つまり、“把”構文を使った文は、「その対象物が結果としてどうなったのか」ということが強調されるのです。
もう一度上の例の訳文に注目して読んでみてください。
「特定のものに処置を加えて、その結果どうなったのかを示す」というのが“把”構文の特徴なのです。「おまけ」がないと使えないのです。
方向補語を使う場合
次に、「おまけ」の部分が方向補語である例を見てみましょう。
これも先ほどの例と同じです。
“他把那张CD拿来了。 ”
―彼はあのCDを持ってきた。
という表現は、以下のように言いかえられます。
“他拿来了那张CD。 ”
―彼はあのCDを持ってきた。
方向補語については訳しだすのが大変難しいですが、今までわかりやすい例をみてきたので、この文でも「処置する感覚」を感じとれたのではないでしょうか!
【中国語】「把」構文の例文
それでは、最後に例文をみてみましょう!
“请把自己的行李放在这里。”
―ご自分の荷物をこちらに置いてください。
“别把杯子挪到那边。”
―コップをそっちに動かさないでください
“你应该把那个字换成这个字。”
―あの字をこの字に変えた方がいいです。
“要把这个放进进去吗?”
―これを(中に)いれる必要がありますか。
“我把苹果吃掉了。”
―私はリンゴを食べてしまいました。
“我把水烧开了。”
―私は水を沸騰させました。
“赶紧把他赶出去!”
―早くあいつを追い出せ!
まとめ:「把」構文は、動詞の前に「把」とともに目的語を置き、それがどう処置されたかを表す構文
今回はわかりやすく段階的に「把」構文について説明してみました。
次回は「おまけ」が少し複雑になったパターンについて学習しますが、基本形は絶対に変わりません。
「おまけ」がなければ「把」構文は作れないということを忘れないようにしてください。
文法事項を1つ1つ積み重ね、中国語マスターへの道を進みましょう!