大家好!
動詞の動作行為を終えたあと、どのように処置するかに焦点をあてた「把」構文についてもうすこし詳しくみてみましょう。
今回は、「おまけ」の部分に入る様々な場合について確認していきますよ!
まずは第一回「把」構文とは何か?と同様、基本説明からです。
【中国語】「把」構文とは
「把」構文とは、動詞の前に“把” + <目的語>のセットを置き、その目的語がどうなったかを強調するような構文のこと。
※目的語を処置する、という意味で処置文と呼ばれるときもあります。
処置するということは、その目的語は見知っているものである必要がありますね。
基本形:
“把” + <目的語(特定)> + <動詞> + おまけ
ポイント:
- 助動詞や“没”,“别”などは“把”の前に置く
- “把”は、書き言葉では“将 ”
- 疑問形では、文末に”吗?”を付ける
今回は、この「おまけ」が「結果補語」「方向補語」ではない場合について説明していきます。
【中国語】「把」構文の特徴
では、今回扱う「おまけ」をリストアップします。
- 「数量詞」
- 「様態補語」
- 「動詞の重ね型」
- 「了」「着 」
- 「(目的語を二つ取る動詞の)目的語」
- 「文」
処置した内容に当たる、これらの「おまけ」がないと「把」構文は使えませんでしたね。それぞれどういう意味なのか、詳しく説明していきます。
いずれの場合も「処置した感覚」をもって
「数量詞」
数量詞とは、<数> + <量詞>の組み合わせのことでした。
例文:
“我把这本书看了一遍”
―私はこの本を一度読んだ。
“东京奥组将奥运会的开幕时间推迟了一年 ”
―東京オリンピック委員会は、オリンピックの開幕を一年遅くした。
「様態補語」
様態補語とは、“得”のあとに置いて補足説明をするものです。
例文:
“我把自己的房间打扫得干干净净。”
―私は自分の部屋を掃除して綺麗さっぱりにした。
“不要把自己的责任推得一干二净。”
―自分の責任を押し付けて、綺麗さっぱりにしてはいけない。
「動詞の重ね型」
動詞の重ね型とは、たまに“一”を間に伴って、動詞を繰り返すものです。
“你应该先把自己的想法谈一谈。”
―まず自分の考えを話してみたほうがいいです。
“请你把那些东西擦一擦。”
―あれらをちょっと拭いてください
「了」「着」
動詞の後に“了”、“着”を加えます。
例文:
“我把苹果吃了。”
―リンゴを食べた/食べてしまった。
“你把这个包拿着。”
―このバックを持ってて。
今までずっと話題にしてきた、特定のものがどうなったかについて詳述する
「(目的語を二つ取る動詞の)目的語」
二重目的語をとる動詞において、一方の目的語を後ろにおくパターンです。
例文:
“为什么你不把这么重要的事情告诉他们呢?”
―どうしてこんなに重要なことを彼らに伝えないの?
“我把作业交给老师了。”
―私は宿題を先生に提出した。
「文」
文というのは、後続する文のことです。文を後続させる場合は以下のようになります。
“把” + <目的語(特定)> + “一” + <動詞>,
例文:
“把被子往阳台上一晾就行了 。”
―布団をベランダにぱっと干しときゃいいよ。
“把这个往可燃垃圾那里一扔不就行了。 ”
―これを可燃ごみにぶち込んだらいんじゃないか。
※“不就行了?”は、「~たらいいんじゃないか?」を表す反語的な表現
“那个村子里的人们用湖水把鱼一泡,就可以吃到一顿美味了。 ”
―あの村の人々は湖の水をつかって(その)魚を浸からせれば、おいしい食事にありつける。
中上級者にとってもあまり見慣れない表現だと思います。しかし前二つは非常に口語的な表現です。それぞれ「布団乾かないけどどうすりゃいいの。」「このゴミどうすりゃいいの。」っていう疑問に対して、ややめんどくさがって「AをちょっとBすりゃいいんでね?」と返すときの言い方です。
初級者の方は、こういった「おまけ」も存在するだぁ!っとなんとなく覚えておけばいいです。
まとめ:「把」構文の「おまけ」には、「数量詞」「様態補語」「動詞の重ね型」「了/着 」「目的語」「文」がある
今回を以って、「把」構文の説明はすべて終わりです。これだけ多くの表現を学んでいれば問題ないでしょう。⇒「把」構文の基礎用法をもう一度確認する!
いずれの場合でも、
- 「おまけ」がないと使用できない
- 「特定のものを処置する感覚」を大事にする
ということを忘れないようにしましょう!
文法事項を1つ1つ積み重ね、中国語マスターへの道を進みましょう!