中国語

【中国語文法基礎】実現・完了を表す助詞 “了” 徹底解説!

実現・完了を表す "了"

大家好!

今回は、学習者みんなが苦手な
実現・完了を表すアスペクト助詞”了”について徹底解説します!

まず、「中国語の過去形には”了”を使います。」というのは、

大間違いです!

では、何が間違いなのか。
今回は段階的にわかりやすく説明していきます!

【中国語】実現・完了を表すアスペクト助詞 “了”

実現・完了を表すアスペクト助詞 “了” とは、
動詞の直後に置いてその動作の実現・完了を表す助詞のことです。

例:
“我昨天看了一部电影。”
Wǒ zuótiān kànle yí bù diànyǐng
―私は昨日映画を一作品みました。

一番重要なのは、
“了” は、実現・完了であって過去を表すわけではない
ということです。

つまり、
過去だけでなく、未来における実現・完了においても使用可能であるということです。

【中国語】アスペクト助詞”了” と語気助詞”了”の違い

 実現・完了を表すアスペクト助詞”了”の用法を説明するには、まず、
この違いについて簡単に抑える必要があります。

簡単に表にまとめました。

             

意味 位置 例文
アスペクト助詞 実現・完了。 動詞の直後 我今天早上吃两个面包。
(今朝パンを二つ食べた。)
語気助詞 新状況の発生や変化。 文末 我想吃面包
(パンが食べたくなった。)

整理できましたか?

参考:変化を表す語気助詞 “了”

基本的な用法としては、これ以上もこれ以下もないのですが、この二つの “了”の結びつきが非常に強いので、学習者が混乱してしまうのです。

今回は、アスペクト助詞 “了” の用法について確認していきます。

【中国語】実現・完了を表すアスペクト助詞 “了”の要点

実現・完了を表すアスペクト助詞 “了”は

ある動作が終わったことを確かめる記号

と整理しておくと、細かな説明を聞いて納得がいくと思います。

これだけは覚えよう!基本用法

実現・完了を表すアスペクト助詞”了”の基本用法を確認します。

叙述するときには、
完了した動作を表す動詞の直後に “了”を置きます。

肯定形:

“我昨天晚上吃了一碗拉面。”
Wǒ zuótiān wǎnshang chīle yì wǎn lāmiàn
―私は昨日の夜、ラーメンを食べました。

否定するときには、
動詞の前に”没(有)”を置いて、”了” を消します。

否定形:

“我昨天晚上没吃拉面。”
Wǒ zuótiān wǎnshang méi chī lāmiàn
―私は昨日の夜ラーメンを食べませんでした。

過去の事象を否定するということは、つまり
達成した項目ではないので、目的語が幾つかは問われない

ということで、
“一碗”は特筆する必要がありません。

とっても簡単ですね!

では、次の項目から細かい用法について説明していきます。

【中国語】アスペクト助詞 “了”を使うときの詳細なルール

具体的な用法について細かく説明する前に、”了”を使うための大きなルールを二つ説明します。

アスペクト助詞 “了” の細かいルール

①特に単文
制約:なるべくたくさん時間や状況、目的語の様子を説明する。

なぜか: “了”を使ってすでに完了した行為であることを確認。


②長めの単文や複文の前半部分で
制約:過去、未来、仮定条件をしめすときに用いる。

なぜか: “了”を使って、主文より前に動作が完了したことを確認する。

また、アスペクト助詞”了”を置くなら、
連続した動作の最後の動詞の直後に置きます。

これだけ大まかにイメージとルールを確認しておけば心配ありません!

では、具体例とともに確認していきましょう!

①単文:文を終わらせるためのルール

まずは、例を見てみます。

△”我买了笔”
○”我买了一支笔。”
Wǒ mǎile yì zhī bǐ

どうでしょうか。

実は上の文はそのまま文を終えることができないのです。

下の文は問題ありません。(時間があるとなおよいが。)

ねこ学徒
ねこ学徒
どうしてだにゃ?

それは最初に確認した通り、

ある動作がはじまりそれが終わったことを確かめる記号

であるからです。つまり、実際に実現した行為なのであれば、

 ・いくつ買ったのか。
 ・いつ買ったのか。
 ・どこで買ったのか。

といったことはわかるはずなのです。

“我买了笔”では、それらが全くわかりません。

そのため、実際に動作が終わったという確認マークが押せないのです。

では、どうすれば文を終わらせることができるのでしょうか?

“了”を使いたい場合には、どれか一つのルールを達成するようにしてください。

ルールその1:目的語を具体的なものにする!

先ほどの例では、 “我买了一支笔。”と言って、目的語の数を明らかにしました。

日本語では、「テレビ買った」「スマホ買った」と言えば、「一個買ったんだろうなぁ」ということがわかると思いますが、中国語においては、この<数+量詞>という単位は非常に大事な要素です。また時間の長さも大事な要素です。

例:
“我等了他半天。”
Wǒ děngle tā bàntiān
―私は彼を半日待った。

“我和朋友聊了一整晚。”
Wǒ hé péngyou liáole yì zhěng wǎn

―友達と一晩おしゃべりした。

※もしアスペクト助詞”了”を付けるのなら、”半天”,”一整晚”を省略することができません。

また、持続性のない動詞については

ねこ学徒
ねこ学徒
動作のはじまりと達成が同じだにゃ!

なので、目的語を具体的にしなくてもよい場合があります。

例:
“到了车站。”
Dàole chēzhàn
―駅に着いた。

“过了马路。”
Guòle mǎlù
―道を越えた。

“生了孩子。”
Shēngle háizi
―子供を産んだ。

※非文ではないが、もう少し状況説明があったり、文が後続する場合の方が自然だと言うネイティブも多いです。

ルールその2:状況説明が具体的である。

これはつまり、
「いつ、どんなところで」などを説明するということ。

“了”の意識はやはりすでに動作が完了したことを確認する、ということですから、これらの情報を増やすことで、”了”という確認マークを押すことができます。

例:
×我吃了榴莲。
※目的語も状況もはっきりしない。

○我昨天晚上吃了榴莲。
Wǒ zuótiān wǎnshang chīle liúlián
―昨日の夜ドリアンを食べた。
※何時かわかる

○我昨天晚上在家里吃了榴莲。
Wǒ zuótiān wǎnshang zài jiāli chīle liúlián
※いつどこでかわかる

また、結果(方向)補語と状況説明を組み合わせた表現においては
「確実に動作が行われた」というのが”了”の確認マークなしでもわかるので、

“了” が省略されちゃうときもあります!

“我昨晚回到了日本。”
Wǒ zuówǎn huídàole rìběn
―私は昨晩日本に戻った。

“我昨晚回到日本。”

※実際にはもう少し状況説明があったり、主語が第三者であったり、文が後続する場合の方が省略が起きやすいです。

ルールその3:文末に語気助詞 “了”を加える

ルール2では、”我吃了榴莲。”では文終止できないことを確認しました。

しかし
語気助詞 “了”を入れると文を終えることができます。

“我吃了榴莲了。”
Wǒ chīle liúlián le
―ドリアンを食べた

これは、語気助詞”了”
動作未完了 ⇒ 動作完了
という変化を表して実現を保証してくれているからです。

また、このときアスペクト助詞”了”を省略することができます。

①”我吃了饭了。”
Wǒ chīle fàn le
―ごはんを食べた。

②”我吃饭了。”
Wǒ chī fàn le
―ごはんを食べた。

しかしここで注意!
ねこ学徒
ねこ学徒
“吃饭了!”

というと、一般的に「ごはんを食べました。」ではなく、

「ご飯の時間になりました。」

という意味になります。

これは、語気助詞 “了”によって、
何もない ⇒ ご飯の時間
という変化の意味が強くでるためです。(決まり文句の一つでもある。)

それでは次に、単純な単文以外での用法を説明します。

②長めの単文と複文でのルール

この用法ではとくに目的語がどうであるとかは意識する必要はありません。

重要なのは、
過去だけでなく、未来の完了についても言える
ということを忘れないことです。

“了”は過去ではなくて、実現・完了を表すもの。

簡単な話、”了”が使われたのちに、動詞フレーズが並んでいれば

その動作は後述の動作よりも前に行っていることを表します。
※複文であれば従属節にアスペクト助詞”了”が使われる場合のこと。

例:
“你吃了早饭就过来吧。”
Nǐ chīle zǎofàn jiù guòlái ba
―朝ごはんを食べたらおいで。

日本語の感覚でとらえるとわかりやすいのかもしれません。

「~してから、」「~したら、」を表す用法

主節の時間よりも前に動作が起こったことを表します。

そのため、過去だけではなく未来でも使うことができます。

“昨天我们吃了午饭,就去图书馆学习了。”
Zuótiān wǒmen chīle wǔfàn,jiù qù túshūguǎn xuéxí le
―昨日私たちはランチを食べてから図書館に行って勉強した。

“我明天下了课,就要回家。”
Wǒ míngtiān xiàle kè , jiù yào huíjiā
―私は明日授業が終わり次第、帰宅するつもりだ。

特に後者は従属節だけで文を終えることは難しいですね。

つまり、
“我明天下了课”
の箇所です。

単文の例も挙げておきます。

“你吃了饭再说吧。”
Nǐ chīle fàn zài shuō ba
―ごはんを食べてからにしましょう。

“我洗了澡再吃。”
Wǒ xǐle zǎo zài chī
―風呂に入ってから食べる。

「もし~だったら」を表す用法

これは簡単に言うと仮定条件(もし~だったら~する)の用法です。

“你结了婚,还会继续做现在的工作吗?”
Nǐ jiéle hūn,hai huì jìxù zuò xiànzài de gōngzuò ma
―(もし)結婚したら、今の仕事を続けますか?

“要是我有了钱,想去环游世界。”
Yào shi wǒ yǒule qián,xiǎng qù huán yóu shì jiè
―もしお金があったら、世界周遊をしに行きたい。

これも日本語と対比して覚えてしまうのがおすすめですが、初級者ほど合ってるか不安になって回避しがちな項目です。

“了”は未来でも仮定でも使える!

ということは忘れないようにしましょう。

「~したけど、」「~したので、」を表す用法

これについては、単文としてとりだしても問題ないものなので、余裕があれば覚える程度で構いません。

詳しくは、語気助詞 “了”の項目でお話します。

“我们公司的展览会刚开了一天,还要开三天。”
Wǒmen gōngsī de zhǎnlǎnhuì gāng kāi le yì tiān, hái yào kāi sān tiān

―我々の会社の展覧会はまだ始まって一日なわけで、あと三日開催する予定です。

“这本书我已经看了三遍了,再也不想看了。”
Zhè běn shū wǒ yǐjīng kànle sān biàn le, zài yě bù xiǎng kàn le

―この本は、私はすでに三回読みましたから、もう二度と読みたくないです。

ここまで読むと

ねこ学徒
ねこ学徒
じゃあ、実現・完了を表すものならなんでも使っていいんだにゃ!

となりますが、そうではありません。

最後の項目で今回の説明を整理していきます。

【中国語】実現・完了を表すアスペクト助詞”了”を使ってはいけない場合

大きく分けて5つありますが、いづれにしても
「動作の実現・完了を表すため」
という説明で済みます。

学習者が戸惑いやすい5つの項目を取り上げてみます。

どれもアスペクト助詞”了”を使ってはいけない場合です。

①後ろに動作性フレーズが来るとき

例えば、「明日から韓国語を勉強することを決めた。」とか「昨日鳥が虫をたべるのを見た」といったもの。

“决定”, “拒绝”, “开始”, “看见”

といった語を用いて、
「~するのを~した」というときには、”了”が使えません。

ですので、

“我决定从明天开始学习韩语。”
Wǒ juédìng cóng míngtiān kāishǐ xuéxí hányǔ

“昨天我看见一只鸟在吃虫子。”
Zuótiān wǒ kànjiàn yì zhī niǎo zài chī chóngzi

というように表します。

動詞性フレーズが後ろにくるときは、”决定了”, “看见了”としないようにしてください。

②動作性がないもの

これはアスペクト助詞 “了”の概念からしても論外ですね笑

動作の実現・完了を表すものなので、
“是”,”在”,”觉得”,”认为”などの動詞に使うことができません。

「一昨年は高校生だった。」

×我前年是了高中生。
○我前年是高中生。
Wǒ qiánnián shì gāozhōngshēng

このように。時間に関する語を挿入すればいいです。

③「~していた」を表すもの

過去の習慣であったり、過去で続いていたものに対しても使うことができません。

動作が達成されたという意味を表していないからです。

高中的时候,我常常和朋友去卡拉OK玩。
Gāo zhōng de shí hòu, wǒ chángcháng hé péngyou qù kǎlāOK wán

―高校生のころは、よく友達とカラオケにいって遊んでいた。

我昨天一直都在看书。
Wǒ zuótiān yìzhí doū zài kàn shū

―私は昨日ずっと本を読んでいた。

この場合も、時間に関する語を挿入すればいいです。

④引用するとき

これについては覚えるしかありませんね。

誰かのセリフを直接的に引用するときには、基本的に “了”を使うことができません。

×我妈回答说了: “我只是去一趟超市罢了。”
○我妈回答说: “我只是去一趟超市罢了。”
Wǒ mā huídá shuō:” wǒ zhǐshì qù yí tàng chāoshì bàle

―母は答えて言った。「ちょっとスーパーに行ってくるだけ。」

しかし、動作量表現の後で引用する際には”了”を用いることができます。

他喊了一声:”别跑啦!”
Tā hǎn le yì shēng:” bié pǎo la!”

―彼はわっと叫んだ。「逃げるな!」

⑤連動文や謙語文の一つ目の動詞

これも重要項目です。連動文に関しては連動文の項目をご覧ください。

謙語文というのは、
主に”使””派””叫””让”のような使役動詞を使って、「~に~させる」「~に~してもらう」といった意味を表す文です。

その際に、一つ目の動詞には”了”を付けることができません。

○”那个人昨天深更半夜叫自己的孩子去买东西。”
Nà gè rén zuótiān shēngēngbànyè jiào zìjǐ de háizi qù mǎi dōngxi le

―あの人は昨日深夜に自分の子供に買い物に行かせた。
×”那个人昨天深更半夜叫自己的孩子去买东西。”

※基本的には文末に語気助詞の “了”を置いて終わったことをしめします。

長い単文や複文での “了”の省略

基本的な考え方は、”了”は「ある一連の動作の中で一番最後に行われた動作の動詞で示せばよい」という考え方。

最後の動作が達成されているならその前の動作も当然達成されている

という考え方です。

そのため談話時において、”了”を使いすぎると「話の流れをせきとめる」というイメージを与えかねないので、長い文を言う際には、最後の動作にだけ”了”を置くのがよさそうです。

まとめ:アスペクト助詞”了”は、過去ではなく実現・完了を表す。複文では未然(未来)のことについても言うことができる

実現・完了アスペクト助詞”了”にはたくさんの用法があり混乱すると思います。

しかし、基本の用法は、
動詞の直後に置いてその動作の実現・完了を表す助詞のこと

そして、
過去だけを表すものではない!

ということを忘れないようにしましょう!

この記事を最後まで読みきったあなたは、中国語マスターまであとすこし!!

ABOUT ME
唐
Webメディア外大.net 言語地域記事 総合ディレクター。 これまでに数々の学生団体の運営を通し、NHKやニュースZEROなど国内メディアに多数出演経験あり。 2018年に日本語教育能力検定、HSK6級ともに一発合格。北京清華大学に留学経験あり。 現在は、国内外の日本語教育機関に携わり、中国語母語話者向けの日本語教師を担当している。 タピオカが主食。 ※中国語ピンイン担当:後輩ayaくん