大家好!
今回は、アスペクト助詞 “了” と並べて紹介される、変化を表す語気助詞 “了” について説明します。
初学者はよくこの二つを混同してしまうのですが、はたして
どのような違いがあるのでしょうか?
【中国語】変化を表す語気助詞 “了”
変化を表す語気助詞 “了” とは、
文末において、その状態になった、という変化を表す語気助詞です。
主に機能は2つあります。
①新状況の出現を表現。
②動作の継続を表現。
例:
“都三点了。”
Dōu sān diǎn le
―もう三時になりました。
“我学了两年汉语了。”
Wǒ xuéle liǎng nián hànyǔ le
―中国語を学んで二年になります。
とっても簡単ですね。
それでは特徴を見ていきましょう!
【中国語】アスペクト助詞”了” と語気助詞”了”の違い
変化を表す語気助詞 “了” の用法を説明するには、まず、
この二つの違いについて簡単に抑える必要があります。
簡単に表にまとめました。
意味 | 位置 | 例文 | |
アスペクト助詞 | 実現・完了。 | 動詞の直後 | 我今天早上吃了两个面包。 (今朝パンを二つ食べた。) |
語気助詞 | 新状況の発生や変化。 | 文末 | 我想吃面包了。 (パンが食べたくなった。) |
今回は、変化を表す語気助詞 “了” の用法について確認していきます。
【中国語】変化を表す語気助詞 “了” の特徴
ここでは、変化を表す語気助詞 “了”の特徴について説明します。
基本は、
文末につけて「変化を表す」
※省略は起きません
①新状況の出現を表現
②動作の継続を表現
に分けて説明していきます。
※そのほか「話題の切り出し」という機能もあります。(コラムにて)
①新状況の出現を表現
一つ目の用法は、新しい状況が生まれたことを示す際に使う用法。
実現・完了のアスペクト助詞 “了” とは異なり、動詞の直後でなくて構いません。
例で感覚をつかみましょう。
“春天了。”―春になった。
“便宜了。” pián yí le
―安くなった。
“我去上课了。”
Wǒ qù shàng kè le
―授業を受けに行かなくちゃ。
※授業をうけに行くことになった。
と、このように
名詞、形容詞の後ろにも置くことができます。
また、名詞が “大学生”(大学生), “老师”(先生) といった職業の場合には、 “是” を追加します。
“我是老师了。”
Wǒ shì lǎoshī le
―私は先生になった。
「~ではなくなった」を表すときには、
“我已经不是老师了。”
Wǒ yǐjīng bú shì lǎoshī le
―もう先生ではなくなった。
“不是” を使います。
とっても簡単ですね!
文末に “了” を付ける決まった言い方
文末に “了” を付ける時にいくつか決まった言い方があるので覚えてしまいましょう!
①主要の動作の前に “去” を加える
“我去吃饭了。”
Wǒ qù chī fàn le
―ごはん食べるね。(あとでね。)
※ごはんを食べることになった。
②「すでに」を表す副詞 “已经”, “都” を使う
“现在已经都两点了。”
Xiànzài yǐjīng dōu liǎng diǎn le
―今はもう二時になりました。
※名詞を修飾できる副詞を確認
③副詞 “又”(また)を加える
“又有问题了。”
Yòu yǒu wèntí le
―また問題がでてきた。
※また問題があることになった。
④”要” “快要” “就要”を加える
“他快要离开中国了”
Tā kuài yào líkāi zhōngguó le
―彼は中国を離れることになった。
⑤可能補語(否定)に加える
“我参加不了了。”
Wǒ cānjiā bu liǎo le
―私は参加できなくなった。
“他去不成了。”
Tā qùbuchéng le
―彼はいけなくなった。
※可能を表す助動詞表現で、 “不能” は使わないことを学びました。
②動作の継続を表現
語気助詞 “了” のもう一つの用法。
実現・完了のアスペクト助詞 “了” と併用します。
時間の長さを表す表現を学ぶ際にも、実はでてきていました。
例を見てみましょう。
①”我等了他半天。”
Wǒ děngle tā bàntiān
―彼を半日待った。
②”我等了他半天了。”
Wǒ děngle tā bàntiān le
―彼を半日待っている。
この違いは何でしょうか?
「変化を表す」
という意味を忘れていなければわかるはずです。
つまり、
①:半日という具体的な時間を待ったことが確認された。
②:半日待ったという状況になっている。
ということで、結論として②が動作が継続している意味をもつことになります。
①の発話時点では、彼はもう来ていますが、②の発話時点では、まだ来ていないことになります。
実現・完了のアスペクト助詞 “了” にくらべると、かなり使いやすい助詞であることがわかります。
※ “半天”は、長い時間という意味で使うことが多いです。
実現・完了の “了”と語気助詞 “了”のもやもや解消
よくある説明は以下の例文を用いたものです。
你吃什么了?Nǐ chī shénme le
―何を食った?
我吃桃子了。Wǒ chī táozi le
―桃食った。
你吃了几个?Nǐ chīle jǐ ge
―いくつ食った?
我吃了三个。Wǒ chīle sān ge
―三個食った。
目的語に量がついている際には、語気助詞を使用することができません。
ネイティブの意識としては、概観をつかみ状況を知るときには文末に “了”を用いて、具体的にどうしたか聞くときには、文中にアスペクト助詞 “了”を入れるのだそうですよ。
最後に例文を確認していきましょう!
【中国語】変化を表す語気助詞 “了”の例文
“听了他的话,我想去杭州了。”
Tīngle tā de huà, wǒ xiǎng qù hángzhōu le
―彼の話を聞いたら、杭州に行きたくなった。
“我已经是大孩子了,不需要妈妈喂了。”
Wǒ yǐjīng shì dàháizi le, bù xūyào māma wèi le
―ボクはもうおっきいから、(もう)ママに食べさせてもらわなくていいんだ。
“都十二点啦!快睡吧。”
Dōu shíèr diǎn la! Kuài shuì ba
―もう12時になったよ!早く寝ましょう。
“小明快要出发了。”
Xiǎo Míng kuài yào chūfā le
―明くんはそろそろ出発する。
※すぐに出発する状態になった
“今天的会议我参加不了了。”
Jīntiān de huìyì wǒ cānjiābuliǎo le
―今日の会議は、参加できなくなりました。
“我学了一年汉语了。”
Wǒ xuéle yì nián hànyǔ le
―私は中国語を学んで一年になります。
※今も勉強中
“这道菜比以前的好吃点了。”
zhè dào cài bǐ yǐqián de hǎochī diǎn le
―この料理はまえのよりちょっとおいしくなった。
※実は比較構文との相性がいい。
“我走了。”
wǒ zǒu le
―私は行きます。
まとめ:変化を表す語気助詞 “了”は、文末につけて新状況の出現や継続の意味を表す。
今回は、変化を表す語気助詞 “了”について説明しました。
変化を表すという意味が根幹にあることを忘れなければ問題ないです。中国の料理屋さんで、「おいしかった」のつもりで
“好吃了!”hǎo chī le は言ってはいけませんよ?!
「美味しくなった!」は時として失礼ですからね笑
文法事項を1つ1つ積み重ね、中国語マスターへの道を進みましょう!