中国語

【中国語文法基礎】動作量表現 ―動量詞とは―

動作量表現

大家好!

今回は、動作量表現について説明していきます。
その中で、名量詞や時量詞と並んで紹介される動量詞とは何かをみていきます。

中国語らしい表現で、「そんな表現をするのか!」と驚くかもしれませんが、
体系的に説明していきますから、難しく考えずにひとつずつ理解していきましょう!

動作量表現とは

動作量表現とは、動量詞を使った表現のことです。

例:
“请你再说一遍。”
Qǐng nǐ zàishuō yíbiàn.
—もう一度言ってください。

“我去过两趟中国。”
Wǒ qùguo liǎng tàng guo.
—私は、中国に二回行ったことがある。

“我们读了三遍这本书。”
Wǒmen dúle sān biàn zhè běn shū.
—私たちは、この本を三回読んだ。

動作量表現の特徴

ここでは、動作量表現の特徴について説明していきます。

動量詞とはなにか

動量詞とは、量詞のうち「動作量を数えるもの」のことです。

量詞とは何か―名量詞―で、中国語では数えるものの違いで使われる量詞が変わることを確認しました。

①事物 →名量詞
②動作量 →動量詞
③時間の長さ →時量詞

の3種類の量詞があることを確認しました。

今回は、動作量表現における動量詞について確認していきましょう。

動作量表現における動量詞の特徴

ここでは、動作量表現における動量詞の特徴について説明します。

動量詞とは

動量詞とは、量詞のうち、動作の回数を数えるときに使われるものです。

使われる動量詞は、名量詞に比べてすくないので安心してください。

意味によって使われる動量詞が変わります。

よく使われる動量詞

動量詞 説明
Huí ~回、~度
~回、~度
biàn 初めから終わりまでの全過程を意識した回数
tàng 往復する回数
下(儿) xià(r) 様々な回数、(ちょっと~する)
dùn 食事、叱責、忠告など回数

説明欄を簡略化しているので、細かい説明は辞書で確認してください。

動作量表現における動量詞の使い方

ここでは、動量詞の使い方について説明します。

動量詞を使った基本語順

まずは、<数詞+動量詞>をひとまとまりに考えましょう。これが、動量詞が機能するときの基本的な単位です。

基本形:
<動詞> + <数詞> + <動量詞>

例:
“我看过一次。”
wǒ kànguo yícì.
—私は一度みたことがあります。

“请你再说一遍。”
Qǐng nǐ zàishuō yíbiàn.
—もう一度言ってください。

“我们以前见过三次。”
Wǒmen yǐqián jiànguo sāncì.
—わたしたちは前に三回会ったことがあります。

目的語があるときの語順

動量詞を使った基本語順は、<動詞> + <数詞 + 動量詞>であることを学習しましたが、目的語はどこに置けばいいのでしょうか?

色々と覚え方はありますが、

①(基本形)
<動詞> + <数詞 + 動量詞> + <目的語>

②(例外)
<動詞>+ <代名詞> + <数詞 + 動量詞>

と覚えておくとすっきりします。基本形が英語と違う!と意識するとよさそうです。

例:
〇“我去过一趟上海。”
Wǒ qùguo yí tàng shànghǎi.
―私は一度上海に行ったことがある。

〇“我今天见了他两次。”
Wǒ jīntiān jiànle tā liǎng cì.
―私は今日彼に二回あった。
× “我今天见了两次他”

なぜ①を基本形とするか?
中国語では、
「目的語の前に時量詞(時間の長さ)や回数を入れる表現が特徴的で多い」
からです。これについては、時量詞を使った表現でも確認しましょう。

余裕のある人はもっと詳しく見てみましょう。
実は3つのパターンに区分されます。

Ⅰ基本形しか使えない
Ⅱ基本形でも例外形でもいい
Ⅲ例外形しか使えない

使われる目的語によって使い分け!

Ⅰの目的語:普通の名詞
Ⅱの目的語:人名・地名
Ⅲの目的語:代名詞(もしくは、動量詞が特殊である。)

例:
Ⅰ:<動詞> + <数詞 + 動量詞> + <目的語>しか使えない
“我想看一遍这本书。”
Wǒ xiǎng kàn yíbiàn zhè běn shū
—もう一度この本を読みたい

“他们吃了两顿。”
Tāmen chīle liǎng dùn fàn.
—彼らはご飯を二度食べました。

Ⅱ:基本形でも例外形でもいい
“我之前去过中国两次
Wǒ zhīqián qùguo guo liǎng cì.
—私は以前、中国に二回行ったことがあります。

“我之前去过两次中国
Wǒ zhīqián qùguo liǎng cì guo.
—私は以前、中国に二回行ったことがあります。

Ⅲ:<動詞> + <目的語> + <数詞 + 動量詞>しか使えない
“我之前见过三次。”
Wǒ zhīqián jiànguo tā sāncì.
—私は以前、彼に三回会ったことがある。

“他们应该去过那儿一次。”
Tāmen yīnggāi qùguo nà’er yícì.
—彼らはあそこに一回いったことがあるはずだ。

動量詞が特殊な場合:

“我打了小明一拳
Wǒ dǎle xiǎomíng yì quán.
—私は明くんをガツンと一発殴った。

“他看了老张一眼,就走了”
Tā kànle lǎo zhāng yìyǎn, jiù zǒule.
—彼は張さんの方をちらっとみると、すぐに行ってしまった。

“老虎咬了一只狗一口
Lǎohǔ yǎole yì zhī gǒu yìkǒu.
—虎が犬をがぶりと噛んだ。

特殊な動量詞というのは、その動作の実現のために動く道具や身体の一部を借用してできた動量詞のことです。

頻度は多くはありませんが、使えると中国語表現がより豊かになります。
※和訳するときに、擬態語を使用するのが慣例です。

そのほか、“二”, “两”の違いで述べた通り、量詞の前にくる数詞は、基数なので “两” を使用します。

一歩進んで!

ここでは、“次” と “遍” の違いについて説明します。

次cì 動作の回数
遍biàn 動作の始まりから終わりまでの全過程を意識した回数

例で確認してみましょう。

例:
〇“我检查了一遍作业。”
Wǒ jiǎnchále yíbiàn zuòyè.
—私は宿題を一度(くまなく?!)点検した。

△“我检查了一次作业。”
—私は宿題を一度点検した。

〇“我反复做了好几遍练习题,但一次都没有得过满分。”
Wǒ fǎnfù zuòle hǎojǐ biàn liànxí tí, dàn yícì dōu méiyǒu déguo mǎnfēn.
—何回も練習問題を繰り返しやったが、満点は一度も取ったことがない。

△“我反复做了好几遍练习题,但一遍都没有得过满分。”
—何回も練習問題を繰り返しやったが、満点は一度も(くまなく?!)取ったことがない。

※〇は問題なし、△は少し変、という意味です。
※いくつかの方言においては、“次” と “遍” の差がありません。

まとめ: 動作量表現とは、動量詞を使った動作の回数を表す表現

今回は、動作量表現について解説しました。

普通の名詞を使うときには、英語と全く異なった順序になることに注意しましょう。
中国語の特徴的な文法の一つです。

文法事項を1つ1つ積み重ね、中国語マスターへの道を進みましょう!

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唐
Webメディア外大.net 言語地域記事 総合ディレクター。 日本語教育能力検定、HSK6級合格済。北京清華大学,漢語最高クラス首席修了。タピオカが主食。 /※中国語ピンイン担当:後輩ayaくん/