大家好!
「被」「叫」「让」…。
いわゆる中国語の受動態の用法について学んでいきましょう!
受け身表現はいつでも使えるわけじゃない?!
上級者向けの“被/为~所…”や“见笑”の意味や用法の解説も!
さっそく見ていきましょう!
【中国語】受け身表現とは
受け身表現とは、「AはBに~される」という表現のこと
受け身表現には、多く「被」「叫」「让」という介詞が使用されます。
基本形:
A + “被/叫/让” + B + <動詞> + 「おまけ」
※助動詞や副詞は被/叫/让の前に置く。
意味:
「AはBに~される」
※Aは「被害者」、Bは「行為者」と呼ばれることがあります。
「おまけ」は「把」構文①で登場したような補足説明をする成分のことです。基本的にこの「おまけ」がないと文を終わらせることができません。
ポイント:
- 「叫」「让」は口語的である。
- 被害のニュアンスを含むことが多い
- 「被」の直後はBを入れなくてもいい
例文:
“小明的手机被偷走了。”
―明くんの携帯は盗まれてしまった。
“我的电脑叫人修好了。”
―私のパソコンはしっかりと修理された。
※ほかにも受け身表現に「给」を使うものもありますが、これは方言色のあるものです。基本的な用法は変わりません。
【中国語】受け身表現の特徴
ここでは中国語の受け身表現の意味や用法について説明します。
基本形:
A + “被/叫/让” + B + <動詞> + 「おまけ」
受け身の表現で“被/叫/让”を使わない場合
日本語や英語で受動態であるものなら、なんでもかんでも“被/叫/让”を使っていいわけではありません。
基本的に“被/叫/让”は被害のニュアンスを持ちます。そのため、以下のような場合は“被/叫/让”を使わずに表現します。
「タスクは完了しています。」
The task has been completed.
中国語:任务完成了。
「この問題は解決されました。」
This problem has been solved.
中国語:这个问题解决了。
また、自動詞(不及物动词)の場合も使えません。
「私は雨に降られた。」
×我被雨下了。
※“我被雨淋湿了”(私は雨にぬらされた)と言います。
コラム参照⇓
日本語の迷惑の受け身、間接受け身とは
「私は弟にケーキを食べられた。」のような文では、実際に「私」が直接被害を受けたわけではありませんが、受け身が使用されます。これを間接受け身、または、はた迷惑の受け身(迷惑受身)などと呼びます。
中国語や多くの言語ではこの表現を再現するのが大変難しいです。中国語なら、「我的蛋糕被弟弟吃掉了。」と訳すほかありませんね。
さて、日本語では「雨に降られた」という、自動詞を受け身にした表現も間接受け身ですが、「地震に起こられた」は言えませんね。なぜでしょうか。この理由については日本語ライターさんにお願いすることにしましょうか…。^^
肯定形、否定形、疑問形の作り方
いずれも基本形通りで構いません。Bは「行為者」と呼ぶことが多いです。
肯定形:
“他让警察抓住了。”
―彼は警察に捕まった。
“我的秘密被发现啦!”
―私の秘密がばれちゃった!
助動詞や副詞(否定含む)は“被/叫/让”の前に置くことに注意しましょう。
否定形:
“他没让警察抓住。”
―彼は警察に捕まってない。
“我的秘密不会被发现的。”
―私の秘密はばれるわけがない。
疑問の表現では、文末に「吗?」を付けます。
疑問形:
“他让警察抓住了吗?”
―彼、警察に捕まったん?
“你的秘密没被发现吗?”
―あなたの秘密はばれてないんですか?
「おまけ」がなくてもいい場合?
実は、「おまけ」が“被”の前にだけ置かれて、“被”の後には置かれない時もあります。
“这种说法很容易被人误解。”
―誤解されやすい。
“小明的意见已被大家接受”
―明くんの意見はすでに皆に受け入れられています。
上級者向けの受け身表現
ニュースや意見文などで使用される上級者向けのフレーズを紹介します。
A被B所 + <動詞>
書面語で、次に紹介するものの、新しめな言い方です。“所”の後は、2音節の動詞が来ることが多いです。
例文:
“从而,我们未知其结果能否被公众所支持。”
―しかしながら、我々はその結果は大衆に支持されうるかわからない。
“任何东西都会被时代所淘汰。”
―いかなるものも時代によって淘汰されうる。
A为B所 + <動詞>
書面語で、古っぽい言い方です。(今でもよく見かけます。)やはり、“所”の後は、2音節の動詞が来ることが多いです。
例文:
“农奴制为资本主义所代替。”
―農奴制は資本主義に取って代わられた。
“没有任何东西能够为上帝所接受。”
―上帝に受け入れられるだけのものが何もない。
“A被视为C”
「AはCと見なされる」という意味。「把A视为C」と同じ意味。
例文:
“上海被视为中国金融经济上的枢纽。 ”
―上海は、中国語の金融経済における要と見なされる。
“若有未作答,整个问卷将被视为无效。 ”
―もし未回答があれば、アンケートすべてが無効となります。
见笑
これは単語として使われますが、構造としては“见”が受け身の介詞で、“笑”が「笑う」を意味します。つまり、直訳では「笑われる」という意味になります。ややかしこまった口語で謙遜するときに「お恥ずかしい」という意味で使用します。
“我不是唱得很好,见笑见笑……”
―わたしは歌がうまいわけじゃないです。お恥ずかしいかぎりです。
【中国語】受け身表現“被”と“让”,“叫”の違い
“被”は英語翻訳の影響か、書き言葉を中心に不満・被害だけでなく、喜ばしいことに対しても使われるようになってきました。文法的には、「行為者」がはっきりしなかったり、言う必要がない場合(“人”など)には、その「行為者」を省略できるのが特徴です。※「给」でも行為者を省略できることがある。
例:
“我被老师表扬了。 ”
―私は先生に褒められた。
※良いことにも使える。
“手没被扎破吧? ”
―手、切ってないよね。(大丈夫?)
※「行為者」、たとえばガラスや包丁を省略することができる。
“让”,“叫”に関しては“被”ほど自由度が高くなく、口語で使われ基本的には不満、被害のニュアンスで使用されます。
例:
〇 “我叫妈妈说了一顿”
―母にちょっと言われちゃった。(怒られた)
× “我叫老师表扬了”
※喜ばしいことには使えない。
× “手没叫扎破吧?”
※“让”,“叫”の直後に動詞を置けない。
それではここでまとめておきます。
“被”・・・ やや書き言葉、何でもok
“叫”,“让” ・・・ 口語、不満・被害のみ
上級者向け|“叫”が良いことに使われる例
しかしながら、一部の地域(浙江?天津?)では以下のように喜ばしいニュアンスで使用することができます。文学作品から例を取り上げて示します。
可是如果今儿说的话,做的事,叫领导表扬了,就觉得这个系数猛增,心里就稳当,踏实,有了安全感。
― 第十四章「我变了一个人」《百个人的十年》|冯骥才(2004)
和訳:
「しかし、もし今日話すこと、やることをリーダーに褒められたら、この係数が急に増加し、心が落ち着いて、安心感が生まれる。」
いずれにせよ、使用地域は限られているようなので“被”を使うのが無難と言えそうです。
【中国語】受け身の表現の例文
最後に例文をみていきましょう!
“如果被关注那就完了”
―フォローされたら終わり
※日本ドラマのタイトルの中国語訳
“他叫女友甩了。”
―彼は彼女に振られた。
“我被他说的那句话感动了。”
―私は彼の言ったあの言葉に感動した。
“那个杯子让小明打破了。”
―あのコップは明くんに割られた。
“她很优秀,被大家选为班长了。”
―彼女はとても優秀で、皆にクラス委員に選ばれた。
“为什么被蚊子叮了会又红又痒?”
―どうして蚊に刺されると赤く痒くなるの?
“他提到的这个观点从来没有被广泛接受过。”
―彼の取り上げたこの観点はこれまで広く受け入れらたことがない。
“天天被喂狗粮……”
―毎日ドッグフードを食わされる…。
※单身狗(独り身)がリア充にイチャイチャを見せつけられる感じ。
まとめ:中国語の受け身の表現では、不満・被害を表すときにだけ“被/叫/让”が使われるが、“被”は例外の用法もある。
不満・被害を表すときにだけ“被/叫/让”が使われるが、“被”は良いことにも使えることがある。
上級者の方は、復習とともにさらにいくつかの表現を身に着けることができましたか?
文法事項を1つ1つ積み重ね、中国語マスターへの道を進みましょう!