スペイン語

【スペイン語文法基礎】前置詞格代名詞と重複

¡Hola! ¿Qué tal?

いきなりですが、
Le enseñé una foto.の
leが誰を指しているか分かりますか?

当然、この文章だけでは、
分かるはずがありませんね。

では、どうすれば分かるようになるのか…
今回はそれを勉強していきます!

目的語の発展内容なので、最初に
直接・間接目的語を復習しておきましょう。

スペイン語の前置詞格代名詞

人称代名詞には、前置詞の後ろにつくときのための、特殊な形があります。

ただ、1人称単数と2人称単数以外は
主格代名詞と同じなので簡単ですね!

単数 複数
1人称 nosotros/nosotras
2人称 ti vosotros/vosotras
3人称 él
ella
usted
ellos
ellas
ustedes

1人称単数でアクセント記号があること注意!

例:
Hablamos de ti ahora.
―今、君のことを話していたんだ。

Quiero salir con ella.
―彼女と付き合いたい。

動詞+前置詞の表現でよく使われます。

【スペイン語】間接目的語の重複

目的格代名詞の内容を、
(前置詞a)+(名詞/代名詞)
で繰り返して示すことを、目的語の重複と言います。

このときの代名詞は前置詞の後ろに置かれるので、
前置詞格代名詞を使います

このセクションでは、間接目的語の重複について見ていきます。

では、冒頭で示した
Le enseñé una foto.
という文を使って、誰にあてて書いた手紙なのかを示してみます。

Le enseñé una foto a él.
―彼に一枚の写真を見せた

Le enseñé una foto a usted.
―あなたに一枚の写真を見せた。

Le enseñé una foto a Juana.
―フアナに一枚の写真を見せた。

このように、leだけでは3人称単数の何か、としか分からなかったものが、明確に分かるようになりました。

また、重複表現は、
動詞よりも前の語順に置くこともできます。

A ella le enseñé una foto.
A usted le enseñé una foto.
A Juana le enseñé una foto.

そして、この重複は
1人称や2人称でも使うことができます。

ねこ学徒
ねこ学徒
にゃ!?
3人称と違って、meやteは可能性が一つしかないにゃ!
どうして明示する必要があるにゃ??

この重複は強調や対比など、
明示以外の役割も持っているんです。

例文を見てみましょう。

Él me dio un pendiente a mí.
―彼は、私に、ピアスをくれたんだ。

Fernando a ti te escrbió una carta, pero a mí no.
―フェルナンドは君には手紙を書いたけど、私には書かなかった。

重複ではっきりさせることで、強調や対比の意味合いが強くなります。

間接目的語の重複は、
gustar型動詞でよく使われます。
併せてチェックするのがおすすめですよ!

【スペイン語】直接目的語の重複

ここまでは間接目的語の重複を例に扱ってきましたが、
直接目的語でも同様に重複表現を使うことができます。

例:
Al señor Gómez lo vimos en el restaurante.
―私たちはゴメスさんにレストランで会った。

A mí me buscan.
―彼らは、私を、探している。

直接目的語の場合も、明示や強調、対比の意味合いがあります。

【スペイン語】目的格代名詞の省略

目的語の重複で気を付けたいのが、
むやみに目的格代名詞を省略しない、ということです。

(前置詞a)+(名詞/代名詞)ではっきりと示されると、
もとの目的格代名詞は必要ないと勘違いする人が多いのですが、
ほとんどの場合で目的格代名詞を省略することはできません

例えば、「彼女に一冊の本を貸した」と言う文をスペイン語にする場合、

A ella dejé un libro.

と、
leを省略して言うことはできません

ねこ学徒
ねこ学徒
でも、「ほとんどの場合で」ってことは、
省略させるときがあるってことにゃ!
それはいつにゃ?

省略させるかどうかは、

目的語が間接目的語と直接目的語のどちらか
前置詞aに続くのが代名詞と名詞のどちらか
重複の語順が動詞の前と動詞の後のどちらか

の3種類の要素によって決まります。

では、この3要素を組み合わせた表をみてください。

前置 後置
間接目的語 代名詞 ◎:① ◎:②
名詞 ◎:③ ○:④
直接目的語 代名詞 ◎:⑤ ◎:⑥
名詞 ◎:⑦ ×:⑧

◎:目的格代名詞が必要
○:必要ではないが、あるのが普通
×:必ず省略する

⑧で必ず省略となっていますね。
つまり、直接目的語で、前置詞a+名詞の表現が、動詞の後ろに置かれるとき、
目的格代名詞は省略しなければいけない、ということになります。

例えば、「ペドロを探している」という文は、

Busco a Pedro.
とするのが正しく、

Lo busco a Pedro.
と言うことはできません。

逆にいえば、これ以外の全ての場合で
目的格代名詞が必要になる、ということです。

最後に各場合の正しい例文を見てみましょう。

①A ella le explica la situación.
②Le explica a ella la situación.
③A María le explica la situación.
④Le explica a María la situación.
⑤A ella le ayudo.
⑥Le ayudo a ella.
⑦A María le ayudo.
Ayudo a María.

例文を暗唱できるまで身体にしみこませましょう!

【スペイン語】前置詞格代名詞と重複のまとめ

今回は、前置詞格代名詞と、目的語の重複について勉強しました。

前置詞格代名詞、重複のまとめ

①代名詞は前置詞の後ろに置かれるときに特殊な形になる。
②目的格代名詞は、(前置詞a)+(名詞/代名詞)で重複できる。
③重複表現は動詞の前にも後ろにも置ける。
④重複表現は、明示・強調・対比の意味合いがある。
⑤ほとんどの場合で、重複表現があっても目的格代名詞は省略しない。

代名詞と代名詞で重複させる、というのは不思議な感覚だったかもしれません。

この用法を使う場面や機会は非常に多いので、確実に覚えるようにしましょう!
特に、gustar型動詞でよく使いますので、マスターしてから次のステップに進むようにしてくださいね!

¡Hasta luego!

ABOUT ME
ゆきっく
ゆきっく
東京外国語大学スペイン語専攻4年. 2017年バルセロナ自治大学へ留学しCEFR-B2認定を受ける. 2019年サラマンカ大学文献学部へ留学、言語学を中心に受講. 趣味はクラフトビール巡り.