大家好!
「有点」って、好ましくないものにしか使えないよね?
ってそれは間違いです!
では、有点(儿)はどのようなものなのでしょうか?
さっそく見ていきましょう。
※こちらは、中上級者向けのページとなっております。
中国語の「有点(儿)」の意味
「有点(儿)」は程度の幅が狭いことを表す中国語です。
基本形:
- 有点(儿) + <形容詞フレーズ>
- 有点(儿) + <一部の動詞を使ったフレーズ>
例文:
“今天有点冷” —今日はちょっと寒いです。
中国語の有点(儿)の意味や用法
ここでは、有点(儿)の意味や用法について説明します。
「有点(儿)」とは?
まず、発音ですが、「有点」「有点儿」基本的にどちらでも構いません。
そして例文を見てみましょう。
“今天有点(儿)冷”(今日はすこし寒いです。)では、述語部分に “有点(儿)冷”(ちょっと寒い) という「有点(儿)+形容詞」が置かれていることがわかります。
「有点(儿)」は、もともとの「少しある」というものから、副詞的に使用されるようになった中国語です。
意味は「ちょっと~」「すこし~」と捉えられることが多いでしょう。
多くの教材や過去の研究では多く、「好ましくないときに使う」と書かれていることが多いです。
確かに、その場合に限って使用したほうが、安全かもしれません。
しかし、このような言い方もあります。
“有点高兴”(ちょっとうれしい)
“有点可爱”(ちょっとかわいい)
“有点想~”(ちょっと~したい)
“有点喜欢”(ちょっと好き)
つまり、「有点」は「好ましくない」という感情でないときにも使われうる表現なのです。
例えば、中国で有名なミネラルウォーター 农夫山泉 の広告には“农夫山泉有点甜”(农夫山泉はちょっと甘い)と言う言葉が使われています。
ここで、従来の教科書で見られる「好ましくない」という感覚で読んでしまうと、このCMは「甘いのがいや」と伝えているよくわからないCMとなってしまうわけです。
もちろんここでは、「ちょっと甘い(のがいい)」ということを表していますね。
※ここでは単なる「ちょっと」ではなく、「意外性」を含んでいるという解釈もありあます。
そこで、詳しく確認してみましょう。
「有点(儿)」の使い方
まず、「好ましくない気持ちを出すとき」に使うことが多いです。
これは間違いではないです。
「その程度が低い」と言えるほどの幅をもっているとき、「有点(儿)」が使えるときが多いです。
ただし、なぜ 可爱 高兴 といった言葉につかえるのかについてのメカニズムは完全には明らかになっていません。
これらの組み合わせについては、ネイティブの使用からお決まりのパターンを吸収していくのがよいでしょう。
どうして、今まで好ましくないものに使うと言われていたの?
では、どうして、今までは好ましくないものに使うと言われていたのでしょうか?
これについて、北京大学中国語科の郭锐教授はこのように述べています。
过去的研究指出,表示轻微程度的程度副词“有点儿”修饰有褒贬色彩的形容词时,限于消极义形容词(有点脏),积极义形容词受限(*有点干净);如果修饰中性形容词,一般表示轻度偏离预期标准(有点大)。但通过语料考察,发现有不少例外。一些能或不能受“有点儿”修饰的形容词没有褒贬色彩(有点弯,*有点直),也没有偏离预期标准的意思。我们认为,形容词的褒贬色彩不是限制“有点儿+形容词”的真正条件,真正起限制作用的是形容词的程度量级类型。我们根据形容词的程度量级的宽窄把形容词分为窄幅形容词和宽幅形容词两个大类。“有点”可以修饰宽幅形容词,而不能修饰窄幅形容词。否定使形容词的程度量级宽窄发生反转,所以与“有点”的搭配能力也正好相反。过去研究以形容词的褒贬色彩为“有点儿+形容词”搭配限制的条件,能概括大部分例句,是因为积极义形容词大多是窄幅形容词,而消极义形容词大多是宽幅形容词。 -https://hanyu.pku.edu.cn/xwgg/tzgg/367901.htm
彼の講演の話を交えてまとめるとこのようになります。
「形容詞には広い幅を持つものと、狭い幅を持つものがあって、本来はこの観点で『有点』の使用可否を検討するべきだ。しかし、これまで『有点』が使えないとされたもののほとんどは(窄幅形容词のなかの)完全形容词で、この完全形容词はポジティブな意味を表す。だから、ポジティブなもの/ネガティブなものという分け方で理解してしまっていたのではないだろうか。(だが実は、窄幅形容词のなかでも、准完全形容词という形容詞の一部(高兴,可爱)では有点を使うことができる)」
※参考図
※これがただ一つの正しい解釈かについては議論の余地があるかと思います。
一歩進んで!
さて、勘のいい方(ネコ)はこう考えていることでしょう。
たしかにその通り。どのように解釈するかというと……
「干净了」(きれいになった」という程度を補助するために使えるということになります。
でも、こんな方(ネコ)もいるでしょう。
いい質問です。これについては……
不を付けることによって、その形容詞がもちうる程度の幅が逆転するからということになります。
一样は「同じである」ことを表すので、少し違うだけでも「几乎一样(少し同じ)」とは言えず、それはもう「不一样(違う)」の一種と認知しますね。
このような点のような幅を持つ形容詞に、「不」を付けると、逆に程度の幅が非常に広い形容詞へと生まれ変わるわけです。
基本的に、窄幅と宽幅は相補関係にあると、郭锐教授はおっしゃっています。
まとめ:中国語の有点儿は、副詞の位置に用いて、程度の幅が少しあることを意味する。
今回は、有点儿とは何かを確認しました。
「有点儿」には、今回のように単純に「少し」を示す場合も、「意外性」に焦点をあてる場合もあります。
ぜひ中国語の深い世界に足を踏み入れてみませんか......