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【英語】every each allの違い|ofを挟める?文中の位置はどこ?

こんにちは!

英語のevery each allの修飾する名詞は単数・複数どちらででしょうか。

これらは数量詞と呼ばれ、名詞句の直前に置かれ、その名詞を修飾する形容詞として機能したり前置詞句のを伴って名詞として機能したりします

それぞれ用法や出現する位置が違い、ルールもあります。

今回はall every eachの使い分けを数や文法の角度から考えます

出現する位置を知って、自然な表現を身につけましょう♪

数量詞every each allは単数か複数か

同じ数量詞every each allでも、修飾する名詞が単数になるか複数になるか違います

数量詞everyは修飾する名詞が単数です。

Every orange was delicious.
オレンジはどれも美味しかったです。

また数量詞eachも修飾する名詞が単数になります。

Each brother was married to an engineer.
兄弟はみんなエンジニアと結婚した。

しかし数量詞allは修飾する名詞が複数になります。

all day(1日中)などイディオムは例外ですが、基本的には修飾する名詞を複数にします。

All friends agreed to my opinion.
友達はみんな私の意見に賛成してくれた。

数量詞every each allと前置詞ofの組み合わせ

数量詞every each allは前置詞ofを挟んで名詞を修飾できるか知りましょう

まずeveryは前置詞ofを挟んで名詞を修飾できません。(文頭の* は文が成立しないマークです。)

Every student will come to the conference today.
→*Every of the students will come to the conference today.
生徒はみんな今日の会議に来るでしょう。

一方、eachとallは前置詞ofを挟んで名詞を修飾できます

Each professor revised the annual plan.
Each of the professors revised the annual plan.
教授はみんな年間計画を見直した。

All students agreed to new principles of the university.
All of the students agreed to new principles of the university.
学生はみんな大学の新しい方針に合意した。

ねこ学徒
ねこ学徒
なんでeveryとeach allは違うのにゃ?

これはeveryが形容詞としてのみ機能するためです。

each allは代名詞として機能するのに対し、everyは代名詞として機能せず、形容詞としての振る舞いをします。そのため、前置詞ofの前に置くことはできないのです。

数量詞と前置詞ofを挟んだ名詞句

everyは前置詞ofを挟んで名詞を修飾できない
each allは前置詞ofを挟んで名詞を修飾できる

数量詞every each allの位置はどこ?

英語の数量詞はもっと遠い位置に移動する場合もあります

All employees were kind to me.
→Employees were all kind to me.
従業員はみんな私に優しかった。

ちなみに修飾している名詞句から離れて、文中の他の位置に移動することは遊離と言います。

この移動の程度も数量詞によって異なります

数量詞everyだけ名詞の前から移動しない

Everyは形容詞としてしか機能しないため名詞の前から移動しません

例えば副詞のように形容詞の前に位置させようとしても、文は成立しません。

Every orange was delicious.
→*The oranges were every delicious.
オレンジはどれも美味しかった。

それに対してeachとallは名詞から離れることがあります

下の例では、名詞の前に置かれていたeach allが述語へ移動していますね。

Each brother was married to an engineer.
→The brothers were each married to an engineer.
兄弟はみんなエンジニアと結婚した。

All the students will come to the conference today.
→The students will all come to the conference today.
生徒はみんな今日の会議に来るでしょう。

しかしどこでも自由に移動できるわけではありません。

eachとallにはある役割を果たすときのみ移動できるルールがあります。

数量詞eachとallは主語代わりになるとき移動できる

数量詞eachとallは主語の代わりとして機能すれば移動できますが、他の用法は使うことができません。

少し難しい内容ですので、噛み砕いて説明していきます。

まずallが移動している2つの文をご覧ください。

上の例は成立しませんが、下は成立します。

The parents praised all of the children so much.
→*The parents praised the children all so much.
親は子供みんなをとても称賛した。

Mary put all of the boxes on the shelf.
→Mary put the boxes all on the shelf.
メアリーは棚に箱を全て置いた。

この違いは数量詞とその後の句との関係に由来します

上はallとso muchに何の関係もありませんが、下はallとon the shelfに文脈に沿った主述関係があります

allはthe boxes全てを指している同格の存在であり、主語の代名詞として機能しています。

つまりallを元の名詞に置き換え構造を描くと

all [=the boxes] (are) on the shelf

という主述関係が見えます。

このように数量詞が主語代名詞になり、数量詞と後の句が文脈に沿った主述関係にあるとき、文が成立します

もうひとつ例をみてみましょう。

The president met each of the professors in the meeting.
→*The president met the professors each in the meeting.
社長はミーティングでそれぞれの教授に会った。

Kate promised each of the boys a diamond ring.
→Kate promised the boys each a diamond ring.
ケイトはダイアモンドの指輪を男性一人ひとりに約束した。

下はeachがthe boysを全て指しており、主語代わりとして機能します。

さらに以下のように主述関係を築くことができます。

each[= the boys] (gets) a diamond ring

ねこ学徒
ねこ学徒
get(獲得する)を補っていいのかにゃ…?

getを補ったのは二重目的語構文(SVOO)の文脈に沿う意味だからです

二重目的語構文(SVOO)は基本的に「誰かが何かを受ける」構文です。

この文を例に解説すると、promise(約束する)は「誰かが何かを受けることを約束する」構造になり、「誰かが何かを獲得する」主述関係を確認する必要があります

そのため「誰か」にあたるthe boysは「何か」にあたるa diamond ringを獲得(get)する主述関係かどうかを確かめました。

やはり数量詞each allは名詞から移動するとき、主語の代名詞になって主述関係を作っているならば文を成立させるのです。

数量詞each allが移動できる条件

①数量詞が主語の代名詞になっていること
②数量詞と後の句が主述関係にあること

数量詞each allは聞き手が了解している名詞のとき移動できる

さらにeach allは、修飾する名詞が聞き手は既にわかっている特定のものなら移動できます

しかし、聞き手にとって特定のものではない、不定名詞句であれば成立しません

例えば、以下の文ではparents(親)に冠詞がない文のみ成立していません。

All parents have enjoyed playing tennis.
→The parents have all enjoyed playing tennis.
→*Parents have all enjoyed playing tennis.
全ての親たちはテニスを楽しんだ。

これはallを使った時点で特定の範囲を指しているのに、定冠詞が欠けて親が不定の誰かになってしまったからです。

allを使った時点で不定じゃないか!と思うかもしれません。

しかし地球上のすべての親を指しているわけではなく、例えば3年1組など特定の範囲の全ての親を指しているのです。

このように数量詞が名詞のそばから移動できるのは聞き手が特定のもの名詞句を修飾しているときです。

一方で例外なのが、名詞の一般的特性を述べるときです。
childrenやlanguagesなど全体を抽象的に指している、ある程度無限に数えられそうなものを総称名詞と呼びます。

総称名詞句の文では、その名詞が持っている一般的特性について述べています。

Children are all angels for their parents.
子どもは親にとって天使のような存在だ。

ここでさすchildren(子どもたち)は地球上のすべての子どもたちです。

そのため聞き手はわざわざ特定の誰かを想定する必要がありません。

最初から一般的な話をしていると想定すれば良いので、数量詞は名詞から移動することができます。

よって聞き手からして不定の名詞は恒常的事実でない限り数量詞が移動できないのです。

まとめ

この記事では数量詞every each allの違いと名詞から離れた位置について考えました。

数量詞every each allには数だけではなく、位置の制限も大きく異なりました。

数量詞every each allの使い分け
  • everyとeachは単数形の名詞を取り、allは複数形の名詞を取る。
  • everyは名詞に形容詞的振る舞いをする。
  • eachとallは2点を守れば名詞から移動できる。
    ①主語代わりになり、後の句と主述関係を作る。
    ②修飾する名詞が聞き手の知っているものである。

それぞれの数量詞の使い分けや文中のルールを理解できたでしょうか?

たくさん復習してより自然な表現を使えるようになりましょう!

  • 久野暲、高見健一(2009)『単数か複数か』謎解きの英文法, 東京: くろしお出版.
  • 久野暲、高見健一(2015)『副詞と数量詞』謎解きの英文法, 東京: くろしお出版.