こんにちは!英語学習は順調ですか?
今回は英語の比較級で頻出の表現”no + more 〜 than” “no + less 〜 than”を用いた「クジラ構文」について解説します。
受験生や高校英語に詰まっている方は必見です!
英語のクジラ構文って何?
クジラ構文とは”no + more 〜 than” “no + less 〜 than”を文中に含む構文です。
クジラを主語にした例文が有名なので、「クジラ構文」と呼ばれています。
A whale is no more a fish than a horse is.
馬が魚でないのと同様に、クジラも魚ではない。
“no + more 〜 than”は「〜でないのと同様に…ではない」という意味です。
一方“no + less 〜 than”は「〜であるのと同様に…である」という意味です。
A man is no less capable of feeling compassion than a woman.
「男も女と同様に哀れみの気持ちを感じられるものだ。」
英語のクジラ構文の理屈
この構造が「〜でないのと同様に…ではない/である」という意味になるのはなぜでしょうか?
それは2つの事実を比較していることが影響しています。
比較するには一般的に2つ以上の比較対象が必要で、英語は一方の基準を後に、他方の主題を前に置きます。
一番簡単な比較の文で理解しましょう。
You are more beautiful than I am.
私よりもあなたの方が美しい。
この文は比較する前に2つの対象があります。
このあと程度の比較をするので、現時点で事実かどうかは問題ありません。
①You are beautiful.
「あなたは美しい。」
②I am beautiful.
「私は美しい。」
ここで主題として①の美しさを②を基準にして比較することになり、1文に集まります。
You are more beautiful than I am beautiful.
ただしbeautifulは前後で重複しているので省略します。(amも省略して構いません)
You are more beautiful than I am.
このように2文を比較して省略部分を消すことで比較文は出来上がります。
クジラ構文も一緒です。
A whale is no more a fish than a horse is.
馬が魚でないのと同様に、クジラも魚ではない。
事実かどうかは関係なく、魚との関係性に言及したシンプルな2文を用意します。
①A whale is a fish.
「クジラは魚だ。」
②A horse is a fish.
「馬は魚だ。」
ここで①の事実を②の事実を基準にして比較すると、「魚である程度」はどちらも同程度に×ですね。
そこでno moreを使って「勝らない」を表現します。
A whale is no more a fish than a horse is a fish.
「馬が魚である度合いよりクジラが魚である度合いが勝ることはない。」
あとは重複しているa fishを消したら完成です。
A whale is no more a fish than a horse is.
“no less 〜 than”の時は逆で「〜劣ることはない。」と述べます。
クジラ構文は2文を比較して同程度であることを示す文なのです。
英語のクジラ構文の訳し方
理屈を理解したところで日本語訳を理解しましょう。
前述しましたが、日本語訳は以下のようになっています。
“no + more 〜 than”→
「〜でないのと同様に…ではない」
“no + less 〜 than”→
「〜であるのと同様に…である」
日本語訳を前から書いていく時の順番を確認しましょう。
①基準となる後ろの部分を確認する。
②”no + more 〜 than”か”no + less 〜than”かを確認する。
③動詞と比較級の後の名詞句を確認する。
④前の主題を確認する。
例えば以下の文を訳してみます。
She is no more a poet than I am.
①基準はI amですので「私」
②”no + more 〜than”なので前後どちらも×「が〜でないのと同様に」
③動詞はis「である」で名詞句はa poet「詩人」
④主題はshe「彼女」
よって「私が詩人でないのと同様に彼女は詩人ではない。」になります。
今度は一人で解いてみましょう!
①composing a blog post is no more difficult than composing an email.
②Teaching children is no less important than saving lives.
長い文ですので、日本語訳にする時は基準と主題がどこにあるか考えてから書きましょうね。
正解は以下のようになります。
①メールを書くことが難しくないのと同様にブログ記事を書くことは難しいことではない。
②命を救うことが大切であるのと同様に子どもを教育することは大切だ。
①は基準がcomposing an emailで主題がcomposing a blog postです。
②は基準がsaving livesで主題がteaching childrenになります。
まとめ:英語のクジラ構文とは
今回はクジラ構文を学んできました。
前後の文を比較して同程度であることを表す構文でしたね。
最後にそれぞれの日本語訳を確認しておきましょう。
“no + more 〜 than”→
「〜でないのと同様に…ではない」
“no + less 〜 than”→
「〜であるのと同様に…である」
クジラ構文を完璧に訳せるよう覚えておきましょう!
山口俊治 (2013) 『英語構文全解説』 東京: 研究社.