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【英語】分詞構文の作り方|慣用表現まで例文で解説

こんにちは!

高校の英語でつまずくポイントの一つが分詞構文ですよね。

分詞構文とは副詞的修飾語を短くできる構文ですが、様々なパターンがあり厄介です。

今日はこの解説を読んで、色々な分詞構文を作れるようになりましょう!

英語の分詞構文の作り方

分詞構文とは、2つの動作行為をまとめて1文で表現するための構文です。

形態の特徴としては、重文(andなどの接続詞でつなげられる文)の片方の動詞が分詞になっており、全体が1文に捉えられる点です。

分詞構文には2種類あります。

分詞構文の種類
①現在分詞を使った構文
②過去分詞を使った構文

分詞構文は話し言葉では使わず、書き言葉で使います

ですので、きちんと文を書き換えられるようになることが必要です。

現在分詞の分詞構文の作り方

作り方は重文から書き換える方法から学んでいきましょう。

手順は以下の通りです。

①文の中で副詞的修飾語句になる部分を決定する
②副詞的修飾語句の主語をとり、動詞をing形にする
③接続詞をとり、「,」を挿入する

He turned away from her and he looked at me.
彼は彼女に背を向けて、私を見た。

文はandで繋がれている重文で、2つの文が入っています。

(a)He turned away from her
(b)he looked at me

この文で最も言いたいことは後半部分ですので、副詞的修飾語句は(a)となります。

次に、副詞的修飾語句(a)の主語をとり、動詞をing形にします。

主語はHeで動詞はturnedですので、(b)と繋げると以下のようになります。

Turning away from her and he looked at me.

最後に、接続詞を「,」に替えます。

Turning away from her, he looked at me.
彼は彼女に背を向けて、私を見た。

これで完成です!

ねこ学徒
ねこ学徒
前半の主語が誰かわからなくにゃいか?

現在分詞の分詞構文、過去分詞の分詞構文もですが、主語をとって心配要りません

なぜなら、分詞構文の主語がないときは前半と後半の主語が同じだという規則があるからです。

逆にいうと、前後の文の主語が同じでないと、省略できません

では一度振り返っておきましょう。

現在分詞の分詞構文の作り方

①文の中で副詞的修飾語句になる部分を決定する
②副詞的修飾語句の主語をとり、動詞をing形にする
③接続詞をとり、「,」を挿入する

過去分詞の分詞構文の作り方

次に基本の過去分詞の分詞構文の作り方を見ていきましょう。

①文の中で副詞的修飾語句になる部分を決定する
②副詞的修飾語句の主語をとり、「be動詞 + 過去分詞」を「being + 過去分詞」にする
③beingを省略する
④接続詞をとり、「,」を挿入する

※②③でbeingを生成して省略する手順は煩雑に見えますが、後ほど説明します。

If the building is seen from a distance, it looks quite new.
少し離れたところから見ると、その建物はまったく新しく見える。

今回も2つの文が入っています。

(a) the building is seen from a distance
(b) it looks quite new

この文で最も言いたいことは後半部分ですので、副詞的修飾語句は (a) となります。

次に、副詞的修飾語句 (a) の主語をとり、「being + 過去分詞」にします。

主語はthe buildingで「is seen」のisをbeingに替えます。

If being seen from a distance, it looks quite new.

最後にbeingを省略し、接続詞をとり、「,」に替えます。

今回は「,」が最初からあるのでつける必要はありません。

Seen from a distance, it looks quite new.
少し離れたところから見ると、その建物はまったく新しく見える。

現在分詞の時と同様に、前後の主語が一致しているので問題ありませんね。

では、作り方をもう一度確認します。

過去分詞の分詞構文の作り方

①文の中で副詞的修飾語句になる部分を決定する
②副詞的修飾語句の主語をとり、「be動詞 + 過去分詞」を過去分詞のみにする
③接続詞をとり、「,」を挿入する

色々な分詞構文の作り方

ここまで基本的な分詞構文の作り方を確認しましたが、他にも分詞構文はあります。

完了形の分詞構文

文の前後で時間の差を表現したいときに完了形の分詞構文が必要です。

Since he had lost the bet, he had to pay for lunch.
賭けに負けたので、彼はランチを払わなければいけなかった。

完了形の分詞構文も現在分詞の分詞構文と基本的に順序は同じです。

注意するのは、ing形にするのが、完了形で使われるhaveであることです。

heを取り、副詞的修飾語句のhadをhavingにし、Sinceを取りましょう。

having lost the bet, he had to pay for lunch.
賭けに負けたので、彼はランチを払わなければいけなかった。

否定形の分詞構文

前半の文が否定形の時、否定語を残す必要があります。

このときは、否定語を分詞の直前に置きます

Since I didn’t know what to say, I didn’t talk to him.
何と言えばいいかわからないので、私は彼に話しかけなかった。

前半のIを取り、didn’t knowをnot knowingにし、Sinceを取りましょう。

Not knowing what to say, I didn’t talk to him.
何と言えばいいかわからないので、私は彼に話しかけなかった。

形容詞の分詞構文

形容詞の分詞構文では過去分詞の分詞構文と同じ手順で作ります。

As he is hard of hearing, he always wears a hearing aid.
彼は耳が遠いので、いつも補聴器をつけている。

主要な文は後半なので、前半を改変します。

heを取り、「be動詞 + 形容詞」を「being + 形容詞」にし、beingを省略し、接続詞を取ります。

Hard of hearing, he always wears a hearing aid.
彼は耳が遠いので、いつも補聴器をつけている。

英語の独立分詞構文

先ほどまで学んだ分詞構文とは違う、独立分詞構文を学びましょう。

独立分詞構文は、前後の主語が一致しないときに使う分詞構文です。

英語の独立分詞構文の作り方

今回は現在分詞と過去分詞に分けず紹介します。

①文の中で副詞的修飾語句になる部分を決定する
②副詞的修飾語句の主語はそのまま、ing形か「being + 過去分詞」にする
③接続詞をとり、「,」を挿入する

実際beingが省略されることもありますが、基本的に上記を覚えておきましょう

ねこ学徒
ねこ学徒
過去分詞の説明が長かったのは独立分詞構文では消えないからにゃ。

After the job was finished, we all had a cup of coffee.
仕事を終えて、私たちはみんなコーヒーを一杯飲んだ。

まず主要な文は後半ですので、副詞的修飾語句は前半と決定します。

主語はthe job、過去分詞の分詞構文なのでwas finishedを「being + finished」にし、接続詞を取ります。

The job being finished, we all had a cup of coffee.
仕事を終えて、私たちはみんなコーヒーを一杯飲んだ。

独立分詞構文の作り方

①文の中で副詞的修飾語句になる部分を決定する
②副詞的修飾語句の主語はそのまま、ing形か「being + 過去分詞」にする
③接続詞をとり、「,」を挿入する

色々な独立分詞構文

今度は色々な独立分詞構文を見ていきましょう

There is 構文

基本的な手順は独立分詞構文の作り方と同じです。

しかしThere is〜の分詞構文はthere が残り、beingも省略できないことに注意しましょう。

As there was hardly any sugar left, I made the cakes with honey instead.
砂糖がほとんど残ってなかったので、その代わりにハチミツでケーキを作った。

主語はany sugar left、wasをbeingに替え、thereも残します。

There being hardly any sugar left, I made the cakes with honey instead.
砂糖がほとんど残ってなかったので、その代わりにハチミツでケーキを作った。

独立分詞構文の慣用表現

独立分詞構文は慣用表現になったものもあります。

いくつか例をあげますので覚えておきましょう。

Generally speaking, it is not a good idea to eat a big meal.
一般的にいうと、多量の食事をするのは良い考えではない。

He behaved himself quite well considering his age.
彼の年齢を考えると、彼はなかなか行儀良く振る舞った。

Counting ourselves, the persons invited were thirteen in all.
私たち自身も数えて、招待された人たちは全部で13人だった。

英語の分詞構文の意味

ここからは分詞構文の意味を考えてみましょう。

分詞構文の意味は一般的に以下5つに分類されます。

(when, whileなど)
理由・原因 (as, sinceなど)
条件・仮定 (if)
譲歩 (though, although, even ifなど)
付帯状況・結果 (and など)

実際に意味を分けるのは難しく、⑤が無理なら①か②を選択するのが良いとされます。

その理由は、分詞構文が「接続詞の意味をぼかした表現法」だからです。

しかしテストでは求められるため、⑤付帯状況・結果をまず考え、次に①時か②理由・原因を考え、それも当てはまらないときに③条件・仮定か④譲歩を選択しましょう。

分詞構文の意味の選択

付帯状況・結果>時か理由・原因>条件・仮定か譲歩
の順に考慮する

英語の分詞構文の問題

これまで色々な分詞構文を学んできました。

最後に問題を解いてみましょう

2つの文があるので、分詞構文で1文に書き換えましょう。
(1) He had eaten a hasty breakfast. He hurried to school.
(2) This book is written in simple Chinese. It is suitable for beginners.
(3) Their conversation was in Dutch. I didn’t understand even a single word.

ここからヒントです。
(1) は時制の差を表出する必要があります。
(2) は2つの文の主語が同じです。
(3) は2つの文の主語が異なります。

解けましたか?答えは以下になります。

(1) Having eaten a hasty breakfast, he hurried to school
(2) Written in simple Chinese, this book is suitable for beginners.
(3) Their conversation being in Dutch, I didn’t understand even a single word.

(1) は現在分詞の分詞構文で、完了形ですのでhaveをing形にしています。
(2) は過去分詞の分詞構文で、主語が同じですので主語を落としてbeingを省略しました。
(3) は主語が異なる独立分詞構文です。

ねこ学徒
ねこ学徒
現在分詞と過去分詞の見分けができたにゃ。

まとめ:英語の分詞構文の作り方

いかがでしたか?

分詞構文は色々な作り方を覚える必要がありました。

しかし大きな分類としては2つでしたね。

それぞれの分詞構文の違い

現在分詞:主語をとり、動詞をing形にする
過去分詞:主語をとり、「be動詞 + 過去分詞」を「being + 過去分詞」にし、beingを省略する

また意味について違いがありました。

分詞構文では接続詞の意味を曖昧にしていますが、訳をするなら付帯状況・結果から考えてみましょう

分詞構文は難しいですが、それぞれの文の違いを読み取って書き分けられるようになりましょう

江川泰一郎 (1991) 『英文法解説』改訂3版, 東京: 金子書房.
山口俊治 (2013) 『英語構文全解説』東京: 研究社.