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【英語】makeとhaveとletの使い分け|使役動詞を例文で解説

こんにちは!英語学習は順調ですか?

この記事では学生にはおなじみの使役動詞makeとhaveとletを扱っていきます。

どれも同じような構造ですが、意味の違いはわかりますか?

makeは強制だと言われますが、”She always makes me happy.” は強制でしょうか?

実は知れば知るほど細かい違いがあるのです。

使役動詞の文法

使役とは、何かを強制、説得、指示、許可などして誰かが何かをする状態にすることです。

みな”使役動詞 + 人や物 + 動詞の原形“という構造です。

She made her children do their homework before going to dinner.
「彼女はディナーに行く前に子供たちに宿題をやらせた。」

The disease made her lose a lot of weight.
「その病気で彼女はだいぶ体重が減った。」

I had the builder put an extra shelf in the bed room.
「私は建築屋にベッドルームに追加で棚を作らせた。」

We let our children go to Hokkaido with their friends.
「私たちは子供たちが友人と北海道に行くことを許した。」

この記事では文法構造が同じmakeとhaveとletを使役動詞として扱います。

使役動詞のイメージを掴む

文法の違いはありませんでしたが、意味の違いは大いにあります。

一つ一つ見ていきましょう。

makeの意味

一般的な意味は「 (相手を) 強制して無理やり〜させる」です。

しかし皆さんはもっと細かく知っておきましょう。

makeの深層の意味は「相手はおそらくしたくないと思っているが、あなたはさせたいと思っていることをさせる」です。

相手がしたいと思っていない」ところがポイントです。

さらにここから強制的にさせる使役と自発的に起こる使役に分かれていきます

ねこ学徒
ねこ学徒
強制と自発って正反対じゃないかにゃ?

①はお馴染みの「 (相手を) 強制して無理やり〜させる」です。

相手が抵抗しそうなことを、命令や強要をして強制的に行わせるという意味です。

②は「ある事柄が原因で、別の事柄が自然に生じる」です。

人や物が原因で、相手がコントロールできないことが起こってしまうという意味を持っています。

これらに共通するのは、「相手が抵抗できないほどの力がある」点です。

ねこ学徒
ねこ学徒
なすすべなしっって感じにゃ…

haveの意味

haveは「立場上、相手に指示・依頼して「〜させる」のが当然な場合」に用います。

立場が関係してくるため、先輩後輩などの上下関係も影響します。

haveは「自分がその行為をしてくれると期待できる相手にさせる」という意味と覚えましょう。

ねこ学徒
ねこ学徒
人間関係に関わってくるのにゃ

letの意味

letは一般的な意味通り、「相手がしたいと思っていることをさせる」という意味をまず覚えましょう。

また、時によっては「あなたはできればして欲しくない」と思っています

使役動詞make・have・letの意味

make:「 (相手に) 無理やり〜させる」
→強制と自発
have:「自分がしてくれると期待できる相手にさせる」
let:「相手がしたいと思っていることをさせる」

使役動詞の意味の違いを例文で解説

意味を大まかに理解したところで、実際に文法を学んだときの例文を見てみましょう。

使役動詞makeの文を考える

She made her children do their homework before going to dinner.
「彼女はディナーに行く前に子供たちに宿題をやらせた。」

makeの意味は「相手はしたくないと思っている」ことが重要でした。

この例文では、子どもは一般的には面倒だと思っている「宿題をする」行為を使役されていますね。

よってmakeが意味通り使われています。

特に①強制的にさせる使役の意味が強いですね。

ねこ学徒
ねこ学徒
もしこれをletで書き換えると、どうなるにゃ??

もしletにすると以下のようになります。

She let her children do their homework before going to dinner.

この文だと「子供が宿題をしたいと思っている」ことになります

haveを使えば「宿題を子どもにしてもらうことを頼む」ようになりますが、宿題は親である彼女のものではないので成立しないでしょう。

もう一つ見てみましょう。

The disease made her lose a lot of weight.
「その病気で彼女はだいぶ体重が減った。」

この文は使役動詞makeの②自発的に起こる使役の意味が強く出ています

病気が起こって彼女は抵抗できず体重を減らしてしまい、体重をコントロールすることができなかったからです。

ここではletやhaveは上下関係や願望が関係ないので、使うことができません

使役動詞haveの文を考える

こちらも文法構造で紹介した文です。

I had the builder put an extra shelf in the bed room.
「私は建築屋にベッドルームに追加で棚を作らせた。」

使役動詞haveは「自分がその行為をしてくれると期待できる相手」が行為者でした。

この例だと建築屋と私の上下関係が重要になります。

建築屋はおそらくお金をもらって仕事をしているため、私は注文を増やす権利があるでしょう。

よってここではhaveが適切になります。

もしここでmakeを使えば建築屋は嫌々仕事をする人になりますが、不自然な文脈になるため、やはりhaveが適切でしょう。

使役動詞letの文を考える

We let our children go to Hokkaido with their friends.
「私たちは子供たちが友人と北海道に行くことを許した。」

使役動詞letは「相手がしたいと考えている」ことが重要でした。

この場合、子供たちは北海道に行くことを楽しみにしていることが想像できます。

makeを使えば北海道に嫌々行くことになりますし、haveを使えば親が子に北海道でして欲しいことがあるような文脈になるでしょうか。

やはり子供が楽しみにしている文脈が出るletが適切でしょう。

使役動詞の受動態

意味と文法を押さえたところで、受動態にする場合を考えていきましょう。

実はそれぞれの語によって受動態にできるか違うんです。

まず、使役動詞makeは受動態になるとtoを用いて表現する必要があります。

I was made to go (by her).
「私は (彼女に) 行かされた。」

しかし、letやhaveはtoを用いても用いなくても受動態が成立しません

*I was let go (by her).
*I was let to go (by her).

使役動詞haveとletは”be allowed to + 不定詞”や”be permitted to + 不定詞”に置き換えて表現します

*They were let to stay a while.
→They were allowed to stay a while.
「彼らはしばらく留まることを許可された (黙認された) 。」

ただし、letは”be let go”「釈放される」など熟語表現で使われることはあります。

しかし基本的にはhaveとletは受動態にできないと思って置き換え表現を覚えておきましょう。

受動態の作り方

makeの受動態:”be made to + 不定詞”
haveとletの受動態:”be allowed to + 不定詞”や”be permitted to + 不定詞”に変える

まとめ:使役動詞makeとhaveとletの違い

ここまで使役動詞makeとhaveとletの違いを見てきました。

文法構造では同じでも意味が大きく違い受動態にできるのもmakeのみでしたね。

make have letの違い

①makeは「相手がしたいと思っていない」こと、toを使って受動態にできる
②haveは「自分がその行為をしてくれると期待できる相手である」、受動態は書き換える
③letは「相手がしたいと思っている」こと、受動態は書き換える

使役動詞の細かい違いもマスターしてより成熟した表現を使いこなしていきましょう!