イギリスから日本に遊びに来た友達と、デパートの1階で待ち合わせしたのに会えない…外大生ならこんな経験を持つ人も多いかもしれません。
国によって『階』の概念が違うってややこしいですよね。
世界では『階』をどう数えてるの?
今回は、外大生への聞き取り調査で世界の『階』事情を見ていきます。
『階』って?
日本語では、『階』といえば建物の層のことを言ってるんだな、ってすぐ分かりますよね。
『階』を和英辞典で引いてみると以下のように出てきます。
((米)) a story, ((英)) a storey; a floor
(▶︎storyは建物を外から見たときの語でfloorは建物の内部にある各階の床)-プログレッシブ和英中辞典
英語にするだけで概念が少し違いますね。story は何階建てか、という建物の高さを表すようです。今回は、建物の個々の階を示すfloorの数え方の方を扱います。
『階』の種類
世界では、大きく分けて『階』の数え方にはいくつか種類あります。それぞれの国で取られる方式としては、
- アメリカ式
- イギリス式
- ごちゃまぜ式
の3つです。それぞれの方式について、またどの国がその方式を取るのかを詳しく見ていきましょう。
アメリカ式:地上階を1階とする方式
アメリカ式は、アメリカや日本のように地上階を1階とする数え方を指します。
この方式をとる国・地域としては、アメリカや日本の他に、台湾(画像参照)、シンガポール、モンゴル、ラオス、バングラデシュ、ウガンダ、ケニア、コロンビア、ロシア、中国本土などがあります。
ここで、聞き込みしているうちに聞いた面白い話を2つご紹介。
メデシンの地上階事情
コロンビアの第二の都市と呼ばれるメデシンは、盆地なので坂がたくさん。
そうなると、デパートのある出入口では1階が地上階なのに、他の出入口では3階が地上階なんてことも!ちゃんとフロアガイドを見ないと、自分の現在位置がわからなくなりそうですね。
ロシアの半地下
続いてはロシア。
ロシアでは、特有の『階』の概念があるらしく、それが、
半地下
という構造らしい。
大学や、ソ連時代の大きいアパートなどでよく見られるそうで、数字が振られるのではなく
「цоколь」
という名称があるそうです。最近アカデミー賞を受賞した韓国の某ブラックコメディ映画をみたことがある人はどんな感じか想像しやすいかもしれません。
イギリス式:地上階を0階とする方式
イギリスのように、地上階を0階(Ground floorなどと呼ぶ)とし、その上の階から1階と数える方式をイギリス式と言います。
外大生に聞き込みをしたところ、イギリスの他には、アイルランド、スイス、ポルトガル、フランス、ドイツ、トルコ、オーストラリア、マレーシア、香港、マカオなどがありました。
階の概念がない国?ルワンダ
上記の国・地域以外でも、ルワンダの高層ビルではGround floor(0階)があるようです。
しかし、首都キガリの中のタウンと呼ばれる中心街以外は高層の建物がなく、高層ビルに行くことがある人は一部の高所得者のみ。ほとんどの人からすれば、生活に関わる全ての建物が平家であるため、多くのルワンダ人が階の概念を持たないと考えられるのだとか。
ごちゃまぜ式
なかには、国全体で統一されていないところも!
タイでは、terminal21など、外国人向けの商業施設などではイギリス式でGround floor(0階)、1階、2階となっているようです。
しかし、日本製のエレベーターを使っているホテルではアメリカ式で1階からはじまるなど、同じ国の中でも製品によってごちゃごちゃ。
他にも、ベトナムやフィリピンでも建物によって方式はごちゃごちゃなんだとか。
まとめ
今回は、一部ですが世界の『階』を取り上げました。ここまで様々な『階』が存在するとなると、もうどの国でも建物の中での待ち合わせは避けた方が良いのかもしれませんね。