こんにちは!
英語の受け身って動詞の形を変える必要があって大変ですよね。
しかもlook forなど前置詞がついている動詞はさらに複雑。
今回は受け身の文を作る時の作り方を解説します。
例文を交えながら、一人で作れるまで学んでいきましょう!
英語で受け身の文法を使う時
日本語では多く「〜される」が使われますが、英語ではどういったときに受け身を使うのでしょうか?
心的状態を表す場合
一般的に、英語では「うれしい」「悲しい」「驚き」「困惑」など心の状態を表すときには、受動態を使います。
例文を見てみましょう。
I was surprised at the news.
わたしはその知らせに驚いた。
* The news surprised me.
surprisedという動詞の過去分詞形が用いられていますが、the newsを主語にして下の文を作ると不自然になります。
その理由は、英語は主題である名詞が主語として選ばれやすい原則があるからです。
心の状態を表す時は受動態にしましょう。
誰の動作か表現できない場合
英語では、動作をする人がわからない場合や主語が重要でない場合は受け身にするという特徴もあります。
My mother was killed in the war.
私の母はその戦争で死んだ。
kill「殺す」という動詞の過去分詞形が使われています。
この出来事では動作を引き起こした人は想定できないため、受け身が使われます。
主語が長い場合
能動文の主語になる要素がそのまま主語になると不自然な文になってしまう時は、受け身を使います。
We were motivated by the fact that our university decided to postpone the deadline of the contract.
私たちは大学が契約書の締め切りを延期することを決定した事実を受けてやる気が湧いた。
もしこの文をthe fact~contractまでを主語にすると、内容は変わりませんが文の自然さが違います。
英語の主語として長い要素が生まれ、英語の文末が一番重要である原理に反してしまうのです。
英語は長い句や節、新しい情報は文末に置かれるという原則があるので、主語が長い場合は受け身を使いましょう。
英語で受け身の文を作る方法
受け身の使う時を理解したら、いよいよ受け身の文の作り方を見ていきましょう。
現在形の受け身文
英語の受け身は以下の3ステップで作られます。
①能動文の目的語を受動文の主語にする
②能動文の主語をby句として表す
③述語を「be動詞 + 動詞の過去分詞」にする
説明だけではわからないので、例文を使って実際に作ってみましょう。
John breaks the window every week.
ジョンは毎週窓を壊しています。
まず①能動文の目的語を受動文の主語にする
能動文の目的語はthe windowです。
次に②能動文の主語をby句として表す
能動文の主語はJohnです。
最後に③述語を「be動詞 + 動詞の過去分詞」にする
述語はbreaksでした。
これはbreak「壊す」の3人称単数形ですので、breakの過去分詞形brokenを使います。
主語はthe windowになりますので、be動詞の過去形は3人称単数にしておきましょう。
以上で以下の文が完成します。
The window is broken by John every week.
窓は毎週ジョンに壊されています。
英語のさまざまな受け身の文を作る方法
次は色々な英語の受け身文を見ていきましょう。次はこの受け身文をもとにアレンジしていきます。
Sam’s courage is respected by Jim.
サムの勇気はジムに尊敬されています。
現在進行形の受け身文
現在進行形は今持続している動作について述べます。
その時はbe動詞を「be動詞 + being」の形にします。
Sam’s courage is being respected by Jim.
サムの勇気はジムに尊敬されています。
疑問形の受け身文
過去形の文はbe動詞の文を疑問形にする時と同じように、be動詞を文頭に持っていきます。
Is Sam’s courage respected by Jim?
サムの勇気はジムに尊敬されていますか。
助動詞を使った受け身文
助動詞should「べきだ」を使って、受け身文を作ってみましょう。
助動詞は時制を表す役割をbe動詞から譲り受けるので「助動詞 + be」に変えます。
Sam’s courage should be respected by Jim.
サムの勇気はジムに尊敬されるべきだ。
助動詞の後のbe動詞はいつも原形であることを覚えておきましょう!
英語の群動詞の受け身文
英語の群動詞とは、look for「探す」やgo on「〜し続ける」など動詞と前置詞や副詞で一つの熟語になっているものを指しています。
この時受け身文はどうなるのでしょうか?
群動詞は「動詞 + 前置詞」「動詞 + 副詞」「動詞 + 副詞 + 前置詞」などパターンがありますが、全てプロセスは同じです。
今回は「動詞 + 副詞」のbring up「育てる」を使って能動態の文から考えていきましょう。
My mother brought me up for 17 years.
私の母は17年間私を育てた。
実は群動詞も先ほどの3ステップと同じ手順を踏むことが大切です。
こちらをもう一度思い出しましょう。
①能動文の目的語を受動文の主語にする
②能動文の主語をby句として表す
③述語を「be動詞 + 動詞の過去分詞」にする
群動詞の目的語は通常1つしかありませんので、代名詞のmeが受動文の主語になります。①は主語になるのがIと確定しておきましょう。
次に今の主語がby句になるので、②ではby my motherができます。
最後に③ではbrought upを「be動詞+ 動詞の過去分詞」にします。まずbe動詞は主語に合わせて1人称単数の過去形にします。
ここで注意ですが、群動詞は動詞を「be動詞+動詞の過去分詞」にします。
broughtの原型bringを過去分詞にするだけで、前置詞や副詞はそのまま過去分詞に後続させましょう。
よって③was brought upが作られます。
以上の手順でできたのがこの文章です。
I was brought up by my mother for 17 years.
私は17年間母に育てられた。
ではこれまでのまとめを一度しておきましょう。
現在進行形:be動詞を「be動詞 + being」に
疑問形:be動詞を文頭に
助動詞:be動詞を「助動詞 + be」
群動詞:群動詞の動詞を「be動詞+動詞の過去分詞」に
英語の受け身と前置詞
ここからは、英語の受け身②で使ったby句の他の種類を見ていきましょう。
at
冒頭でも使いましたが、atは心の状態を表すときによく使います。
I was amazed at his behavior.
私は彼の振る舞いに驚いた。
to
あまりtoが一般的な動詞と自由に用いられることはありませんが、頻出の表現であるbe known to「〜に知られている」は覚えておくといいでしょう。
She is known to all over the world.
彼女は世界中で知られている。
of
be proud of「〜を誇りに思う」be afraid of「〜が怖い」など形容詞で感情を表す文でよく使われますが、be made of「〜でできている」も受け身の一種です。
This furniture is made of wood.
この家具は木でできている。
まとめ
今回は受け身の文を色々な例文とともに学びました。
最後に基本の作り方をおさらいしておきましょう。
①能動文の目的語を受動文の主語にする
②能動文の主語をby句として表す
③述語を「be動詞 + 動詞の過去分詞」にする
受動態の使い時も覚えて、成熟した英作文を作りましょう!
鈴木英一 (1990) 『統語論』東京: 開拓社.