He died of cancer.
He died from cancer.
上記はよく似ていますが、ofとfromどちらが正しいでしょうか?
どちらもよく似た意味を持っていますが、実は使い分けられています。
今回は材料と原因でよく使われる前置詞ofとfromの違いをイメージから理解します!
前置詞of・fromのイメージから違いを掴む
前置詞of・fromはどちらも材料や原因を表すために使用しますが、イメージに違いがあります。
前置詞of
前置詞ofはあるものに「付属する」或いはあるものに「所有される」イメージです。
また派生して「(元の位置から)離れて」という「分離」もofの意味になっています。
元から近い位置にあるため、直接的な表現ができます。
前置詞from
前置詞fromは場所や時間の起点だけでなく、材料や原因などでも「スタート地点」を表すイメージです。
元から遠い位置にあるため、間接的な表現ができます。
前置詞of・from とmadeで材料を表す
ではイメージをもとにmade ofとmade fromの違いを見ていきましょう。
どちらも「〜でできている」が大意ですが、材料の使用方法によって微妙な違いがあります。
「この机はアルミニウムでできている。」
②This desk is made of wood.
「この机は木でできている。」
①では前置詞fromはアルミニウムと組み合わさっています。
これはアルミニウムを熱したり曲げたり加工して使用されるからです。
一方②で前置詞ofを用いているのは、木を直接素材として利用しているためです。
加工したら間接的、素材を生かしたら直接的と覚えましょう。
よって以下のように文を解釈できます。
「この机はアルミニウムを加工したものだ。」
②This desk is made of wood.
「この机は木を素材にしたものだ。」
前置詞of・fromで原因を表す
前置詞of・fromを出来事の原因を導くときにも用いられます。
しかしイメージの違いからofは直接的、fromは間接的な原因に使います。
冒頭の動詞die「死亡する」と組み合わせた文はどちらが正しいでしょうか?
「彼はがんで亡くなった。」
①He died of cancer.
②He died from cancer.
正しい文は①です。理由は前置詞ofが「病気」のような直接的な原因で使われるからです。
一方前置詞fromは「事故や怪我」など間接的な原因で用いられます。
前置詞of・fromの問題を解いてみよう
ではofとfromの問題を解いてみましょう!
正しい前置詞を入れましょう。
「彼は喫煙が原因で亡くなった。」
He died () smoking.
これはsmoking「喫煙」が直接的な原因であるか、間接的な原因であるか考えましょう。
喫煙が直接的な原因であれば、吸った瞬間に倒れることはないですよね。
健康被害が積もり積もっている間接的な原因なため、これは前置詞fromが正解です。
正しい前置詞を入れましょう。
Cheese is made () milk.
「チーズはミルクでできている。」
ミルクからチーズに生まれ変わるにはどのような過程があるか考えましょう。
液体から固体へかわり、また温度も作っている最中に上がっていますよね。
これは加工するという間接的な作業であるため、前置詞fromが正解です。
前置詞of・fromの違いのまとめ
今回は前置詞of・fromの違いを材料・原因の観点から理解しました。
①ofは元から「分離」したもので、直接的な行為に使う
②fromは「起点」を表し、間接的な行為に使う
同じような文脈でも微妙な意味の違いから使い分けが必要なことがわかりました。対象の名詞を分類して慣れていきましょう!
アンドレア・タイラー, ビビアン・エバンズ, 木村哲也 (訳) (2005) 『英語前置詞の意味論』 東京 : 研究社.
大西泰斗, ポール・マクベイ (1996)『ネイティブスピーカーの前置詞』東京 : 研究社.
ThayneDavid A.,古正佳緒里 (2014)『ネイティブが教えるほんとうの英語の前置詞の使い方』東京 : 研究社.
刀祢雅彦, Preston Houser, David Lehner (2005)『前置詞がわかれば英語がわかる』東京 : ジャパンタイムズ.