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【現役外大生が解説!】前置詞to・forの違い|第四文型SVOOの動詞に応じた使い分け

give型とbuy型の分類を説明できますか?

移動動詞とto forを正しく組み合わせることはできますか?

前置詞to forの違いを理解すれば簡単です!

この記事では前置詞to forの違いを勉強します。

前置詞to forのイメージを理解して、言いたいことを適切に表現できるようになりましょう!

前置詞to・forのイメージで違いを掴む

前置詞to forはどちらも方向を表します。

しかし細かくイメージを見てみると少し違います。

前置詞toはゴールに到達しているのに対して、前置詞forは「向かって」いるだけで到達していません

このように、到達の意味を含んでいるかどうかでイメージが異なります

また、toは直接目標、forは間接目標をとるというイメージも理解しましょう。

toは焦点がゴールに当たっていますが、forはゴールの先の真の目的に焦点が当たります。

それはforの場合、ゴールは真の目的のための手段であるからです。

そのため、forの表現はしばしば意図的な動作行為に使われます。

これを覚えておくとさらに理解が深まります。

前置詞to・forの違いと動詞の使い分け

では実際に動詞と組み合わせた例で違いをみていきましょう。

①Lucy went to London.
「ルーシーはロンドンへ行った。」
②Lucy left for London.
「ルーシーはロンドンへ出発した。」

どちらも一緒に見えますが、到達しているかどうかが異なります

前置詞toを使った①は実際にロンドンという地に到達していますが、前置詞forを使った②実際にロンドンに到達したわけではなく、ロンドンを目指して「向かった」ことを表しています。

また、①の焦点はロンドン、②の焦点は「向かっている」ことです。

この文はどちらも成立するでしょうか。

③Lucy went to London, but she couldn’t get there after all.
④Lucy left for London, but she couldn’t get there after all.
「ルーシーはロンドンへ向かったが、結局到達できなかった。」

③の文は不自然です。

なぜならwent to を用いた時点で到達したことになっているのに、次の節でcouldn’t get there「到達しなかった」と言っているからです。

そのため④に言い換える必要があります。

④の文left forを用いると到達したかどうかを次の節に任せることができるからです。

第四文型SVOOを前置詞to・forで言い換える

第四文型SVOOは前置詞to forで第三文型SVOに言い換えられます。今回は以下の2つを言い換えます。

①I bought Mary some chocolate.
「私はメアリーにチョコレートを買った。」
②I gave Mary some chocolate.
「私はメアリーにチョコレートをあげた。」

第三文型+前置詞句をとる動詞グループとしてよくgive型とbuy型が挙げられます。

第三文型+前置詞句をとる動詞グループ

give型…前置詞toを用いる
例)hand「手渡す」、tell「伝える」、say「言う」など
buy型…前置詞forを用いる
例)make「作る」、cook「料理する」、choose「選ぶ」、leave「残す」など
(第三文型+前置詞句→第四文型は必ずしも成立しませんが、逆は成立します。)

この分類は前置詞のイメージを使って解釈すると自分でできます。

give型は「誰かに何かを〜する」動作行為が直接的なため、toを用います。

一方、buy型は「誰かに何かを〜する」動作行為が間接的です。

動作行為の先に真の目的が隠れているのです。

よって上の文は以下のように言い換えられます。

buyだけだとメアリーの手元にはチョコレートはありませんが、giveだとその時点で手中にあることが確定します。

さらにbuyの場合、真の目的「メアリーにチョコレートをあげること」が隠れています。

①I bought Mary some chocolate.→I bought some chocolate for Mary.
「私はメアリーにチョコレートを買った。」
②I gave Mary some chocolate.→I gave some chocolate to Mary.
「私はメアリーにチョコレートをあげた。」

前置詞to・forの問題を解いてみよう

前置詞to forの違いがわかってきたところで、問題を解いてみましょう!

問題1

正しい方を選びましょう。
①She listened for the telephone, but it didn’t ring.
②She listened to the telephone, but it didn’t ring.

問題1の答えは後節が鍵になります。

「しかし電話はならなかった」と言っているので、音はなっておらず、彼女の意識は「鳴りそうな電話(まだ鳴っていない電話)」に向いています

よって答えはforを用いた①になります。

詳しく解説!

A listen to B「AがB (既に鳴っている音) に耳を傾ける」
A listen for B「AがB (まだ鳴っていない音) を聞こうと耳を傾ける」

「listenにはto」が定石になっている人は注意です!

問題2

和訳に適した文を選びましょう。
「ボールは壁に転がっていった。」
①The ball rolled to the ball.
②The ball rolled for the ball.

問題2の答えは動作行為が意図的かどうかで決まります。

toは直接目標、forは間接目標をとるため、forは意図的な動作行為で使われることが多いことは習いました。

ここ思い浮かべるボールは無生物であり、どこかに向かう意図を持っていませんよね。

そのため、答えは①になります。

前置詞to・forの違いのまとめ

今回は前置詞to forのそれぞれの意味の違いや使い分けを確認しました。

to forの使い分け

①toは「到達している」、直接目標をとる
②forは「向かっている」、間接目標をとる

それぞれの前置詞の使い分けを覚えたら、いろいろな動詞と組み合わせて慣れていきましょう!

アンドレア・タイラー, ビビアン・エバンズ, 木村哲也 (訳) (2005) 『英語前置詞の意味論』 東京 : 研究社.
大西泰斗, ポール・マクベイ (1996)『ネイティブスピーカーの前置詞』東京 : 研究社.
刀祢雅彦, Preston Houser, David Lehner (2005)『前置詞がわかれば英語がわかる』東京 : ジャパンタイムズ.
宗宮喜代子 (2007)『道を歩けば前置詞がわかる』東京 : くろしお出版.

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