His house is in the street.
His house is on the street.
この2つの文の意味の違いを説明できますか?
She was at Oxford.
She was in Oxford.
こちらは何が違うのでしょうか?
この記事では、時間と場所の表現で間違えやすい前置詞in on atについて勉強します。
最後まで読んで前置詞のイメージを掴めば、上の例文の違いがわかるはずです!
前置詞in on atのイメージで違いを掴む
前置詞in on atは、どれも時間や場所を表すために使用しますが、それぞれイメージに違いがあります。
前置詞in
前置詞inは「立体的に囲まれている」イメージです。
「〜の中」と覚えている方も多いですが、「囲まれている」「内部感覚がある」ことを追加しましょう。
前置詞on
前置詞onは「くっついている感じ」や「接触」というイメージです。
2次元的な「面」に接しているときに使います。
前置詞at
前置詞atは「点」というイメージを持ちましょう。
時間上の一点や空間上の一点など、狭い範囲を示します。
前置詞in on atで時間を表す
では先ほど学んだイメージをもとに、時間表現でin on atを用いる場合を見ていきましょう。
前置詞in
前置詞inは一定の幅のある時間を表現したいときに使います。
例:My father died of cancer in 1994.
―私の父は1994年にガンで亡くなりました。
年号を使った表現は前置詞inを用います。
例:You have to go there in three minutes.
―あなたは3分でそこに行かなければいけないですよ。
「〜時間で」など所要時間を表す場合も前置詞inを用います。
前置詞on
前置詞onは「日付」を表す場合には特定の時を表します。
例:We play tennis on Fridays.
―私たちは毎週金曜日にテニスをします。
曜日を表す場合は通常前置詞onが用いられます。
例:She likes watching movies on a summer evening.
―彼女は夏の夕暮れ時に映画を観るのが好きです。
夏の夕暮れ時が日付と判断されるのは、「ある日の」ということが意識されているからです。
前置詞at
前置詞atはその時間が「点」と感じられる場合に用います。
例:I’m visiting her office at noon.
―私は正午に彼女のオフィスを訪ねます。
正午は時間の中である一点と捉えられるため、前置詞atが使われています。
例:We’re looking forward to meeting them at Christmas.
―私たちはクリスマスに彼らに会うのが楽しみですよ。
クリスマスを点と捉える感覚は難しいですが、ここではカレンダー上の「点」として認識されています。
前置詞in on atで場所を表す
続いて場所の表現で前置詞in on atを用いる場合を見ていきましょう。
前置詞in
前置詞inは場所に「囲まれている」場合に用います。
例:Miki is reading a book in the room.
―みきは部屋で本を読んでいます。
彼女は部屋という空間に囲まれているため、前置詞inを使います。
もう一つみてみましょう。
例:I saw Mary yesterday in the station.
―私は昨日駅でメアリーを見かけました。
この場合思い浮かべる情景は駅周辺ではなく駅構内やホームでしょう。
このように建物に「囲まれている」ときに前置詞inを用います。
前置詞on
前置詞onは表面しか問題にしない場合に用います。
例:Eri is on the road.
―えりは道路にいます。
彼女は道路という「面」の上に立っているため、前置詞onが使われています。
例:They are playing soccer on the field.
―彼らは運動場でサッカーをしています。
運動場が「面」として捉えられているため、前置詞onが使われます。
前置詞at
前置詞atは広がりのない「地点」にいるときに用います。
例:Taro is at the bus stop.
―太郎はバス停にいます。
バス停は椅子があったり誰かが並んだりしていますが、「地点としてしか意識されていない場所」であるため、atを用います。
例:The tour begins at the Tokyo Dome.
―ツアーは東京ドームで始まる。
地図に点を打っていくように、東京ドームは「地点」と認識されているため、前置詞atを用いています。
前置詞in on atの違いを例文で理解する
しかし、冒頭の問題では同じ場所を表す名詞句で異なる前置詞が使われていました。イメージからもう一度考えましょう。
①His house is in the street.
②His house is on the street.
どちらも「彼の家はこの通りにある。」という意味ですが、視点が違います。
①の前置詞inを使った場合、横から見て家が周りの建物に「囲まれている」イメージです。
一方②の前置詞onを使った場合、上から見て家が通りに「面している」「接している」イメージです。
そのため、「路上で暮らしている」ことを表す場合は前置詞onを用います。
例:Homeless people live on the street.
―ホームレスが路上生活をしている。
③She was at Oxford.
④She was in Oxford.
どちらも「彼女はオックスフォードにいた。」なのですが、彼女の状態に違いがあります。
③の前置詞atを用いた場合、彼女はオックスフォードで学生をしていることになります。
これは単に「地点としてしか意識されていない場所」だからです。
そのため文の焦点は「学生をしている」という活動です。
④の前置詞inを用いた場合、彼女は住民や観光客としてオックスフォードにいることになります。
前置詞atよりも立体的なイメージで、場所に焦点が当たっています。
場所の焦点の違いを見ると、この文は簡単に翻訳できますね。
⑤He is at his desk.
⑥We are at the table.
⑦He is at sea.
⑤は執筆中、⑥は食事中、⑦は航海中という「活動」焦点の翻訳ができます。
前置詞in on atの違いのまとめ
今回は前置詞in on atのそれぞれの意味の違いや使い分けを確認しました。
①inは「囲まれている」
②onは「面している」「接している」
③atは「点」
それぞれのイメージの違いを持てば前置詞の使い分けができます。
いろいろな問題にあたって時間、場所のイメージを形成していきましょう!
- 大西泰斗, ポール・マクベイ (1996)『ネイティブスピーカーの前置詞』東京 : 研究社.
- 中川信雄 (2000) 『英文法その微妙な違いがわからない!? : どこかおかしい、でもなぜかわからなかった101の疑問』東京 : 研究社.
- アンドレア・タイラー, ビビアン・エバンズ, 木村哲也 (訳) (2005) 『英語前置詞の意味論』 東京 : 研究社.