早速ですが、シンガポールにはどのくらいの中国語を話せる人がいると思いますか?
シンガポール人種の割合は中国系が76%、マレー系が15%、インド系が7.5%(2019年6月)となっています。
つまり、約7割の国民が中華系であり、中国語を話す人たちとなります。
実際に、街中でも日常的に中国語が飛び交っています。
そこで、前半はシンガポール中華系の人々が話す中国語はどのような特徴があるのかについて、お話していきます!
また後半は、シンガポールで英語だけでなく中国語も話せると役立つ理由について3つご紹介します!
シンガポールの中国語の特徴
シンガポールの中国語は、英語だけでなく広東語や福建語などもミックスされているのが特徴です。
中華系シンガポール人といっても、先祖の出身地がバラバラだからです。
発音・文字・文法に分けてそれぞれの特徴を見ていきましょう!
①発音
シンガポールの中国語の発音は巻き舌が強くないため、中国大陸の南方の発音っぽく聞こえます。
【例】zhi chi shi → zi ci si
その他、声調が異なる単語もあります。
【例】吃饭 chī fan → chǐ fan
②文字
シンガポールの中国語は中国大陸と同じ簡体字で表記されます。
標識や看板も簡体字で書かれており、画数の多い繁体字はあまり見かけません。
③文法
中華系シンガポール人は、公用語である英語の影響を受け、英語の文法で中国語を話すことがあります。
また、英語だけでなく古文、中国の地方言語(広東語、福建語など)の影響も受けています。
- 一個字(5分間) ← 古文、閩南語(福建語)、広東語由来の表現
- 拜一(月曜日) ← 台湾、福建語由来の表現
- 十千(10000) ← 英語由来の表現
- 你吃先。(あなた先に食べて) ← 広東語の表現
シンガポールで中国語が役立つ理由
①初対面でもすぐに仲良くなれる
まず一つ目の理由は、「初対面でもすぐに仲良くなれる」からです。
公用語である英語が話せればコミュニケーションは可能ですが、一気に仲良くなりたいなら、中国系の人には中国語で話しかけると::一気に距離が縮まります!
中国語の方が親近感を持たれるからです。
例えば、日本に来た外国人が日本語を全く話さなかったら複雑な気持ちになりませんか?
しかし、カタコトでも話そうとしてくれる姿勢を見ると、嬉しい気持ちになるのと似た感覚です。
さらに、母国語でもない中国語を話す日本人だと知ったら、現地の人たちからなおさら喜ばれるはずです!
中には、「初対面で話しかけられるほど勇気がない。」「なんと言って声かけたら良いんだろう?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、出だしに
- 你好!我很喜欢学习中文!(こんにちは!私は中国語を勉強するのが好きです!)
- 你好!我只会说一点儿中文!(こんにちは!私は少しだけ中国語を話せます!)
と言ってみてください。
この一言で興味を持たれ、接し方が360度変わり仲良くなれると思います!
中国語初心者でもこのフレーズを先に覚えておくと、使う場面がたくさんあるので便利ですよ!
②仕事で有利になる
2つ目の理由は、「仕事で有利になる」からです。
シンガポールには、日系企業も多く進出しており、そこで働く日本人は2万人以上いると言われていますが、その多くの日本人は中国語が話せません。
これは、シンガポールで仕事がしたい人にとって大きなビジネスチャンスです。
中国語を話せるだけで仕事の幅が増え、さらに採用面接時にもアピールできるからです。
就職後も、仕事の休憩中に社員の人たちが中国語で会話してても、その輪の中に入っていきやすくなります。
また、社長が中国系の人だった時も有利な場面があります。
例えば、表向きは英語で対応しているものの「裏で配属の部下と話しているのは中国語」ということがあります。
もし、そこで中国語で会話できたら気に入ってもらえるかもしれません!
他にも、商取引では英語でももちろん問題ありませんが、中国語ができるなら歓迎されることがあります。
例えば、営業で自社商品を売り込みに行く時、お客様が中国系の人なら中国語で説明した方が親近感が湧くので信頼されるかもしれません。
このように仕事においても英語と中国語の両方できていた方が、何かと有利に話を運べるのです!
③行動範囲が広がるから
3つ目の理由は、「行動範囲が広がる」からです。
多民族・多文化社会のシンガポールには「牛车水(Niú chē shuǐ)」と呼ばれるチャイナタウンがあります。
チャイナタウンは特に中国系の人たちが集まりやすい場所で、街を歩いてても中国語が飛び交ってますし、話せる機会も自然に増えます。
中国語ができると行動範囲が広がるため、中国語で話してる店員さんやお客さんが多い店でも、躊躇せずに入って行けます。
例えば、マッサージ店を探したい時、リラックスできる静かな店内を選びたいですよね?
しかし、人気のあるマッサージ店は人通りが多い場所にあることが多いため外の雑音が入ってきて落ち着かないなと感じるかも知れません。
そんな時は、ショッピングモールの奥にあるマッサージ店がおすすめです。
そのようなお店は賑やかなところから離れているため、店内が静かでリラックスできるからです。
時には店員さんの方から中国語で話しかけてきたりもします。
そこで中国語が話せたら店員さんと会話が弾みますし、気づいたらたまたま隣に座ってたお客さんとも一緒に会話していた、なんてこともあります。
また、マッサージでもっと強くして欲しいな~、反対に弱くして欲しいな~と思ったら、「重一点(Zhòng yīdiǎn)」「轻一点(Qīng yīdiǎn)」で通じます。
このように、中国語を話せるだけでさらにチャイナタウンでの買い物や食事を楽しめるはずです!
まとめ
今回はシンガポールの中国語の特徴と、中国語が役立つ理由を3つご紹介しました。
中国語は中国でしか使えないと思っている人も多いのではないでしょうか?
実は、シンガポールでは中国語を聞かない日がないというほど日常的に話されているのです。
中国語ができると、現地の人と仲良くなるきっかけになるだけでなく、人間関係や行動範囲などが広がるなどのメリットもあるのです。
この機会に是非、中国語を学んでみませんか?
中国語は武器になるので、早いうちに習得しておくことをおすすめします。加油!